2月20日、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)による“あるSNS投稿”が話題を呼んだ。
「宇田川さんを囲む会に参加させていただきました! 宇田川さん、ごちそうさまでした!」
宮崎での日本代表合宿において、投手たちの親睦を深める会であると同時に、育成から大出世で侍ジャパンへ選出された24歳の宇田川優希(オリックス)を気遣う会食の場を、ダルビッシュが率先して開いたのである。
前日には「気疲れも出ています」というコメントが大きく取り上げられ、ネットやSNS上で「孤立しているのではないか」「宇田川は大丈夫なのか?」という不安の声が噴出していた。
そもそも宇田川が人見知りな性分だ。それは本人も「自分から行けるようなタイプではない」と認めるところである。加えて今春はオリックスでの春季キャンプで中嶋聡監督から減量を厳命されたうえに、初めて手にしたWBC球への適応も求められ、プロに入ってから最も精神的な負担がかかっていた。
そんな若手右腕を気遣ったのが、チーム最年長のダルビッシュだった。「本人も楽しそうにしていた」という36歳は、一時はSNSでトレンドにも入った「宇田川会」の舞台裏も明かした。
「もともとは投手会という形でやっただけ。それで最後は外で『みんなで記念撮影しようか』という話になって、そういう記事もあったから、宇田川くん真ん中で腕組んでみんなで囲って写真を撮ろうよという話になった。それですごく嬉しそうだったし、そういう意味ではよかったかなと思います」
さらに「身体を見てもそんな太っているとは思わないし、お腹を触ってもそうでもない。体重というか動けないというのが問題」と周囲の喧騒に対して持論を展開したダルビッシュは、育成上がりの投手が受けるプレッシャーの重さを慮った。
「動くためのアプローチをしなきゃいけないのに、減量ということになってしまうと、球速が落ちてしまったりだとか、手の感覚がおかしくなってしまう。だからやっぱり昨日のやつもそうだけど、1年前までは育成で、そこからいきなり侍ジャパン。それなのに、ここでも減量だとか、ボールがどうだとかと言われてしまう。それだとあまりにも一人の人間が背負うには大きすぎる。だからそれは嫌だった」
ダルビッシュの細かな気遣いが話題となった「宇田川会」。以前から「ちょっと気負い過ぎ」と代表に参加する心持ちを説いてきたベテランの振る舞いがもたらす効果は、間違いなくポジティブに作用するはずだ。
取材・文●羽澄凜太郎
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「宇田川さんを囲む会に参加させていただきました! 宇田川さん、ごちそうさまでした!」
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前日には「気疲れも出ています」というコメントが大きく取り上げられ、ネットやSNS上で「孤立しているのではないか」「宇田川は大丈夫なのか?」という不安の声が噴出していた。
そもそも宇田川が人見知りな性分だ。それは本人も「自分から行けるようなタイプではない」と認めるところである。加えて今春はオリックスでの春季キャンプで中嶋聡監督から減量を厳命されたうえに、初めて手にしたWBC球への適応も求められ、プロに入ってから最も精神的な負担がかかっていた。
そんな若手右腕を気遣ったのが、チーム最年長のダルビッシュだった。「本人も楽しそうにしていた」という36歳は、一時はSNSでトレンドにも入った「宇田川会」の舞台裏も明かした。
「もともとは投手会という形でやっただけ。それで最後は外で『みんなで記念撮影しようか』という話になって、そういう記事もあったから、宇田川くん真ん中で腕組んでみんなで囲って写真を撮ろうよという話になった。それですごく嬉しそうだったし、そういう意味ではよかったかなと思います」
さらに「身体を見てもそんな太っているとは思わないし、お腹を触ってもそうでもない。体重というか動けないというのが問題」と周囲の喧騒に対して持論を展開したダルビッシュは、育成上がりの投手が受けるプレッシャーの重さを慮った。
「動くためのアプローチをしなきゃいけないのに、減量ということになってしまうと、球速が落ちてしまったりだとか、手の感覚がおかしくなってしまう。だからやっぱり昨日のやつもそうだけど、1年前までは育成で、そこからいきなり侍ジャパン。それなのに、ここでも減量だとか、ボールがどうだとかと言われてしまう。それだとあまりにも一人の人間が背負うには大きすぎる。だからそれは嫌だった」
ダルビッシュの細かな気遣いが話題となった「宇田川会」。以前から「ちょっと気負い過ぎ」と代表に参加する心持ちを説いてきたベテランの振る舞いがもたらす効果は、間違いなくポジティブに作用するはずだ。
取材・文●羽澄凜太郎
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