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ダルビッシュ有の“直伝スライダー”は「理想とは程遠い」。それでも佐々木朗希が掴んだ手応えとは?【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.02.25

豪快なフォームからMAX162キロを投じた佐々木。変化球の切れ味も鋭く、本人も納得の投球だった。写真:梅月智史

 21歳の剛腕が、圧巻のピッチングを披露した。

 3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、侍ジャパンの佐々木朗希(ロッテ)が25日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で行なわれたソフトバンクとの強化試合に先発登板した。

"令和の怪物"は2回を打者6人に対し、1安打無失点3奪三振。ほぼ完璧な内容のピッチングを披露。最速162キロをマークしたストレートだけでなく、鋭いスライダーや140キロ台のフォークでも空振りを奪うなど多彩な球種も冴えた。

 チームを率いる栗山英樹監督も「本当に素晴らしいボールを投げていた。こっちで見てても圧倒されるようなボールに見えた」と笑みを浮かべた。当の佐々木も試合後の取材で開口一番で「ブルペンでそんなに良くなかったですけど」と言いながらも、「試合ではいいボールがいって良かったです」と納得のピッチングを振り返った。とりわけ160キロ台を連発した直球は「去年のシーズンとそんなに変わらないので、いい形で投げられていると思います」と自信を覗かせた。
 
 持ち前の速球とフォークのほかに、この日はダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)から直々に教わったというスライダーも試した。自らが「課題」としていた変化球について21歳の逸材は「まだまだ投げたいスライダーの理想とは程遠い」と吐露。それでも、「空振りがとれて、結果自体は良かったと思う」と、確かな手応えを掴んだようだ。

 とはいえ、まだ試行錯誤を続けていく。ダルビッシュがメジャーの超一流打者をも手玉にとる魔球について佐々木は、「スライダーの種類というか、全く別物を投げているような感じ」と論じ、「スライダーは一歩間違ったら危ないボールなので、細心の注意を払いながら丁寧に投げていきたい」と、スライダー習得に改めて意気込みを示した。

 21歳の若武者は「一番大事なことは点を与えないこと」と失点しないことを第一に考え、「その中でも先発だったら球数を考えないといけないですし、ゼロに抑えることは大事なので、場面だったり、相手によって攻め方を変えたいなと思います」と、来る本番を見据えた。

 3月11日の第3戦チェコ戦での先発登板が予定されている佐々木。"令和の怪物"の、さらなる進化に期待は膨らむばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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