侍ジャパンの4番候補がもがいている。村上宗隆(ヤクルト)だ。
昨シーズンに日本人最多本塁打(56)を放つとともに、史上最年少での三冠王となった天才スラッガーは、来る3月8日(日本代表は9日)に開幕するワールド・ベースボール・クラシックに出場する侍ジャパンにも堂々の選出をされた。
しかし、2月17日にスタートした宮崎での春季合宿からどうにも調子が上がらない。直近4試合の壮行試合での打撃成績は打率..083、0本塁打、0打点。全試合4番という不動さに栗山英樹監督の期待の大きさが窺い知れるが、ヒットわずか1本とバットは湿り切っている。
通常であればオープン戦の時期。本調子でないのは致し方ない面はある。しかし、初戦の中国戦は4日後に迫っており、悠長なことを言っていられないのも事実だ。実際、4日の中日との壮行試合後には、SNSやメディアの間で村上の不調ぶりを危惧する声は噴出した。
無論、求められた結果を残せていないことなど当人は重々理解している。そのうえで彼は4日の中日戦後に、やや意外な言葉を残した。
「少しずつ良くなっているので、今は結果を求めないでほしいなって思っています」
ともすれば、責任の問われるプロとしてネガティブにも取れる発言だ。しかし、その真意には、何よりも打撃の感覚にこだわり、突き詰めてきた三冠王らしい想いがある。村上はこうも話してくれた。
「これという感覚を1つ、2つ見つけるというのがすごく大変。昨日より今日、今日より明日、明後日とつながっていくので、その段階ではすごくいい感じで来ている。まだもうひとつ感覚を見つける段階です」
かつて日本球界が誇る天才バットマンであるイチローも「少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大事」と口にしていた。往々にしてスラッガーにおいては数字よりも感覚こそが後に結果に結びつく場合があるのだ。
だとするならば、村上ももう少しで"覚醒"を遂げるのではないだろうか。「焦りはないです。全くないです」と冷静に語る23歳のここからに期待をせずにはいられない。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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通常であればオープン戦の時期。本調子でないのは致し方ない面はある。しかし、初戦の中国戦は4日後に迫っており、悠長なことを言っていられないのも事実だ。実際、4日の中日との壮行試合後には、SNSやメディアの間で村上の不調ぶりを危惧する声は噴出した。
無論、求められた結果を残せていないことなど当人は重々理解している。そのうえで彼は4日の中日戦後に、やや意外な言葉を残した。
「少しずつ良くなっているので、今は結果を求めないでほしいなって思っています」
ともすれば、責任の問われるプロとしてネガティブにも取れる発言だ。しかし、その真意には、何よりも打撃の感覚にこだわり、突き詰めてきた三冠王らしい想いがある。村上はこうも話してくれた。
「これという感覚を1つ、2つ見つけるというのがすごく大変。昨日より今日、今日より明日、明後日とつながっていくので、その段階ではすごくいい感じで来ている。まだもうひとつ感覚を見つける段階です」
かつて日本球界が誇る天才バットマンであるイチローも「少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大事」と口にしていた。往々にしてスラッガーにおいては数字よりも感覚こそが後に結果に結びつく場合があるのだ。
だとするならば、村上ももう少しで"覚醒"を遂げるのではないだろうか。「焦りはないです。全くないです」と冷静に語る23歳のここからに期待をせずにはいられない。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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