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侍ジャパン

【WBC】村上宗隆・佐々木朗希・山本由伸「以外」でMLBスカウトが熱視線を送る侍ジャパン戦士とは<SLUGGER>

ジム・アレン

2023.02.25

ハイレベルな選手が揃う侍ジャパン。すでに村上(中央)、佐々木(左)、山本(右)はMLB球団の「欲しいものリスト」に入っている。写真:梅月智史

ハイレベルな選手が揃う侍ジャパン。すでに村上(中央)、佐々木(左)、山本(右)はMLB球団の「欲しいものリスト」に入っている。写真:梅月智史

 2006年の第1回WBCと2009年の第2回は、選手のためでもファンのためでもなく、まるでスカウトのために設けられた大会のように思えた。09年、サンディエゴのペトコ・パークで行なわれた日本対キューバの準々決勝の試合前練習では、取材するカメラマンよりもスピードガンを持つスカウトの数が多かったほどだ。

【PHOTO】「背高っ!!」「顔小っちゃい」選手をより近くで感じられるサブグラウンドでの練習も大盛況!侍ジャパン宮崎キャンプ

 その後、大会自体も大きく盛り上がるようになったが、当初から変わっていないことが一つある。MLB球団のエグゼクティブにとって、WBCは普段見ることのできない選手を観察できる絶好の機会であるということだ。同時に、選手にとっては世界最高級の相手に自分の力を証明するチャンスでもある。

 今大会に出場する日本代表選手のうち、村上宗隆(ヤクルト)、佐々木朗希(ロッテ)、そして山本由伸(オリックス)の3人はすでにMLB球団の「欲しいものリスト」に入っている。仮に大会で不振だったとしても、3人の評価はそれほど変わらないだろう。

 一方、他の若い選手たちにとっては、WBCは初めてMLB球団の目に留まるチャンスだ。また、一部のベテラン選手はトップレベルの相手に好結果を残せるかどうかが、数年後にメジャー契約を勝ち取るか、日本にとどまってプレーを続けるかの分かれ目になるかもしれない。
 
 今回のWBCで最も将来が左右されそうな選手は、今永昇太(DeNA)と源田壮亮(西武)だろう。2人とも、MLBスカウトの中に支持者と懐疑者がいる。

●今永昇太

 今永は全球種(4シーム、チェンジアップ、カット・ファストボール、カーブ、スライダー)のコマンド(注:狙ったスポットに投げる能力。「コントロール」はストライクを取る能力を指す)に優れ、アグレッシブな投球を持ち味とする。

 あるMLBスカウトいわく「本当に頼れる投手だ。必ず期待通りの結果を残してくれる」。別のスカウトは「ピッチングの仕方を心得ていて、メカニクスもしっかりしていて、速球を91マイル(約146キロ)以上に速く見せている」と指摘する。

 もっとも、多くのMLBスカウトはその速球が理由で球団への推薦を躊躇している。球速を見て、(メジャーでは)軟投派の投手として切り捨ててしまうのだ。
 
「問題は、一流の打者を相手に通用するかどうかだ。その点については私も確信できない」

「ドミニカの強打者に浮いたチェンジアップをスタンドまで持っていかれて、4イニング6失点でKOなんてことになったら、彼を買っていないスカウトは『だから言っただろ? 日本では通用してもアメリカでは和田毅(現ソフトバンク)の再来なんだ』と言い出すんだろうな」

「一方で、アメリカ相手に5回10奪三振1失点と好投したら、彼のコマンドやガッツが話題になるだろう。速球のスピードじゃなくてクオリティが評価されて、それなりの金額でMLBに行くかもしれない」 
 
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