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プロ野球

【西武】松井イズム「走魂」が浸透! 試合後のミーティングが要因か!? 5年目の山野辺翔が明かす新たな気づきとは

岩国誠

2023.03.08

「走魂」をチームスローガンに決めた松井監督。今季は足を使った攻撃が増えそうだ。写真:岩国誠

「走魂」をチームスローガンに決めた松井監督。今季は足を使った攻撃が増えそうだ。写真:岩国誠

 チームスローガン「走魂」を掲げ、松井稼頭央新監督のもと、2023シーズンをスタートさせた埼玉西武ライオンズ。2月末から始まった対外試合では、早速その「走魂」を見せつけている。

 3月2日のソフトバンク戦は象徴的な試合となった。1点を追いかける4回表、2死一塁でソフトバンク武田翔太が投じたカーブを捕手が弾くと、一塁走者の古賀悠斗はすかさず二塁へ。

 続く川野涼多のヒットで同点のホームを踏む。その後一・三塁となり、再び捕手がカーブを弾いたところで、一塁ランナーのペイトンがスタート。一、二塁間で挟まれる間に、三塁ランナー・川野がホームスチールを決め、逆転に成功した。

「スキがあれば思い切って行ってみようと、ずっと思っていたので行きました。セカンドがファーストに投げるタイミングで行こうと思っていましたが、そのタイミングが功を奏して、セーフになったのかなと思います」

「走魂というスローガンがあって、隙のない走塁というところはチーム方針というところで、今日はそれが出せたかなと思います。走塁だったら結構勇気が必要だと思うんですけど、失敗を恐れずにいった結果が、こうなったのかなと思います」

「走魂」というスローガンが川野の背中を押した。それだけではなく、7回にはヒットで出塁した山野辺翔がディレイトスチールを決めてみせると、8回には二塁打を打った拓植世那が、相手の守備がもたつく間に三塁を陥れるなど、他の選手たちからも積極的な走塁意識を感じた。

「拓植のやつでも、敢えてあそこまで狙えるっていう、ああいう走塁は非常にいいので、引き続きやっていきたいですね」

 キャンプから取り組んできたことが、チーム内で浸透してきている。松井監督もその言葉から手応えを感じている様子だった。
 
 ただ、積極的なトライがいつも成功するとは限らない。それでも、今のライオンズには若手が失敗を恐れずにプレーできる土壌が出来つつあるように感じられた。

 そのひとつの要因として考えられるのが、去年の秋季キャンプから行なわれている選手を交えた試合後のミーティング。練習試合とオープン戦で盗塁を決め、アピールを続ける5年目の山野辺翔がその内容を少し教えてくれた。

「きょう(3月2日)川野がミスをしてしまった。実は前日の試合でもミスをしてしまったのですが、外崎さんから『きょうの姿勢はすごく良かった』という話があったんです。ミスは出てしまったかもしれないですけど、きょうのプレーは気持ちが伝わってきたよと。周りの選手もそう感じられるようになってきていますし、外崎さんなどの先輩方が、気にかけてくださっていて、(若手は)すごくやりやすいと思います」
 
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