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プロ野球

【西武】松井イズム「走魂」が浸透! 試合後のミーティングが要因か!? 5年目の山野辺翔が明かす新たな気づきとは

岩国誠

2023.03.08

積極的にトライする獅子たち。今季の西武はどんな進化が見られるか。写真:岩国誠

積極的にトライする獅子たち。今季の西武はどんな進化が見られるか。写真:岩国誠

 積極的なトライをチームとしてバックアップする。その結果、見えてくるものを次にどう繋げていけばいいのか。それを選手個人だけではなく、コーチ陣や他の選手も見て考えることで、次のトライへとつなげていく。そんなサイクルが出来つつあるようだ。

「とにかく準備をしっかりしようというところで取り組んでいますが、それでも守備だったり、チームに迷惑かけることが正直いっぱいあります。でも、まずは試合に出て、思いっきり失敗を恐れずにやっていくことが、若手のやる仕事かなって思うので、失敗を恐れず、失敗しても『もう一丁来い!』っていう、ガムシャラさを出していけたらいいなと思っています」

 ホームスチール以外のことについて尋ねた川野が、こうした前向きな発言ができるのも、そうしたチーム全体としての後押しが大きいのではないか。それが「松井ライオンズ」のカラーであり、強さになっていくのではないかと感じさせられた。

 山野辺自身もそのミーティングから新たな気づきを得たことがあったという。

「前の試合で嶋コーチとかから『チャンスで打席に立つとき、ピッチャーは大体クイックで投げてくるぞ』と言われたんです。だったら、大きくのんびり構えて打撃練習をするより、もう練習から小さい動きで打とうと。前日は慌ててしまって、間に合わなかったので」

 前日はクイックで差し込まれて凡打に終わった山野辺だったが、この日は2安打。ミーティングで得たヒントから結果を残したひとつの好例だ。

「ただ、結果がもし悪かったとしても、自分の中で1つの工夫をいれて、トライすることが出来た。そういうことが思い切ってできているんじゃないかと。例年以上に明確にチームとしてもやりたいことができているのかなと思います」

 失敗を恐れず前を向く。言うのは簡単なことだが、それを継続するには根気が必要だろう。それでも「松井ライオンズ」は、その道を進み続けることで、新しいライオンズを作ろうと歩みを進めている。
 
「まずは積極的に行かないとわからないこともあるし。行ってみて考えるところもいっぱいあるので、まずは行ってみる。行けると思ったら行ってみる。そこでの結果で次どうするかってところでしょうね。相手のこともよく見ないと、その積極性も出ないでしょうし。そこを僕ら(首脳陣)も、ベンチからでもしっかり見ておくというところになって、(全部が)繋がっていくんじゃないかと思っています」

 既に始まっているオープン戦では、栗山巧、中村剛也のベテラン組が合流。WBCが終われば山川穂高と源田壮亮が帰ってくる。今後は積極的なトライばかりとは行かないかもしれないが、アピールを続ける若手選手たちの中から、誰が開幕一軍メンバーに加わってくるのか。

 走魂を掲げて突き進む2023シーズン、走塁に目が行きがちだが、それだけではなく、チーム全体のマインドにも大きな変化が起きているかもしれない。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。

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