ワールド・ベースボール・クラシックでの捲土重来を期する侍ジャパン。そんなチームにあって上位打線が頼もしい。ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)、近藤健介(ソフトバンク)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)までの1、2、3番だ。
栗山英樹監督が「簡単じゃない」と熟考を重ねたなかで見出した打線は、世界の舞台で驚異的な効果を発揮。大会前に鈴木誠也(シカゴ・カブス)の負傷離脱というアクシデントに対する懸念が出たが、その不安も払拭されている。
どれだけ驚異なのかは、何よりも数字が物語る。以下はヌートバー、近藤、大谷の1次ラウンド4試合での主な打撃スタッツだ。
ヌートバー:打率.429、出塁率.579、長打率.429、OPS1.008
近藤:打率.467、出塁率.600、長打率.933、OPS1.533
大谷:打率.500、出塁率.684、長打率1.000、OPS1.684
まず、目が行くのは“切り込み隊長”であるヌートバーと、繋ぎ役を担う近藤の出塁率の高さだ。2人がほぼ確実に出塁しているのは、とりわけ序盤戦に制球がまとまらない相手先発投手の出鼻をくじくケースに繋がっている。
12日に行なわれたオーストラリア戦は、その驚異的な機能性が発揮された。
侍ジャパンが相手先発のウィル・シェリフを攻め、初回に3点を奪取したこの日、打者7人による猛攻の口火を切ったのは、四球を選んだヌートバーの出塁。そして「一、二塁間に打ちたかった」という近藤が狙い通りのライト前ヒットで続いたのは大きかった。これが直後に飛び出し、敵将デービッド・ニルソンが「勝敗を分けた」と振り返った大谷の特大3ランに繋がった。
「打者・大谷」の好調さも際立つ。自身WBC初アーチを放ったオーストラリア戦の打撃を象徴するように、全試合で打点を挙げている今の彼はほとんどの打席で結果を残している。それを証明するOPS1.684という数値はやはり驚異的だ。
このメジャーリーガー2人に挟まれる近藤は、「やっぱり僕で勝負してくる」と実感を吐露。そしてこの並びがなぜ機能するかを説いている。
「ヌートバー選手もしっかりとボールを見て、球数を投げさせるから、ネクストでも準備がしやすいです。なおかつ翔平が後ろに控えているんで。やっぱり僕が相手でも僕で勝負したいと思うんで。そういうところで、甘い球もきやすくなる。そこに対応できている」
1次ラウンドでは5か国で断トツトップの38得点をあげた侍ジャパン。準々決勝以降は、多くのメジャーの一線級の投手も擁する国々と対戦するわけだが、栗山監督が「良い人と悪い人がうまく助け合えている」と手応えを口にする打線が機能すれば、恐いものはなさそうだ。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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このメジャーリーガー2人に挟まれる近藤は、「やっぱり僕で勝負してくる」と実感を吐露。そしてこの並びがなぜ機能するかを説いている。
「ヌートバー選手もしっかりとボールを見て、球数を投げさせるから、ネクストでも準備がしやすいです。なおかつ翔平が後ろに控えているんで。やっぱり僕が相手でも僕で勝負したいと思うんで。そういうところで、甘い球もきやすくなる。そこに対応できている」
1次ラウンドでは5か国で断トツトップの38得点をあげた侍ジャパン。準々決勝以降は、多くのメジャーの一線級の投手も擁する国々と対戦するわけだが、栗山監督が「良い人と悪い人がうまく助け合えている」と手応えを口にする打線が機能すれば、恐いものはなさそうだ。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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