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「僕らは世界でまだまだ」“韓国の顔”イ・ジョンフが敗退に本音吐露。メジャー移籍には手応えも「ダルビッシュから打てた」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.14

日韓戦では、ダルビッシュから快音を響かせたイ・ジョンフ。その一打に本人は手応えを掴んだようだ。(C)Getty Images

 批判を集める敗退だっただけに言葉は重い。

 3月13日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールBは最終日を迎え、中国代表と対戦した韓国代表は、なんと22対2で5回コールド勝ち。22得点はWBCにおける1試合最多の新記録となった。

 文字通り記録的な大勝劇を飾った韓国。しかし、試合前に3位以下が確定し、3大会連続の1次ラウンド敗退が決まっていた。それだけに試合後に会見に臨んだチーム屈指のスター選手であるイ・ジョンフに笑顔はなかった。

 元中日ドラゴンズの助っ人で、国内で「英雄」と称されるイ・ジョンボムを父に持つサラブレッドは、「僕らには世界で戦うだけの力がなかった」と反省する。もっとも、個人の成績だけを見れば、打率.429、OPS1.071、出塁率.500、長打率.571と状態は悪いわけではなかった。全試合3番起用に応えた言えよう。

 それでも「最後まで全力で戦ったが、大会を通した結果は申し訳なく思う」と24歳は続ける。

「韓国の国民にこのような結果になってしまい申し訳なく思う。僕たちの実力は世界に比べてまだまだと感じる大会だった」
 
 4対13とあわやコールドゲームの完敗を喫した日韓戦後となる12日には「正直言って衝撃的な結果だった。僕の野球人生はいつ終わるか分からないけど、今回の日韓戦は野球人生が終わるまで思い出すと思う」と唇をかんだ。国内メディアからも猛批判を受け、代表の責任の重さを痛感させられた大会だったわけだが、当然ながら得たものもある。

 すでに今季終了後にポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を公言している24歳は、「ここで僕は挫折をせず、さらに力を発展させる」と断言。そして、「日本戦で掴んだ」という手応えを明かした。

「この冬の間、速い球と変化球に備えたことを試す舞台にはなった。とくに日本戦で、それを試したかったんだ。日本の投手の球を空振りしなかったのは自信になった。僕はダルビッシュ投手からヒットを打てた。それと、その前の第1打席にライトに強い当たりのフライを打てたのも印象に残っている」

 会見では「今のところアメリカに行って挑戦がしたい」と力強く公言したイ・ジョンフ。韓国球界最高となる年俸7億5000万ウォン(約7125万円)を締結するエリートバッターが、このWBCでの経験をどうメジャー移籍のために活かしていくのか。興味深いところである。

構成●THE DIGEST編集部

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