青山学院大陸上部の原晋監督が、選抜高校野球で波紋を広げている“ペッパーミルパフォーマンス”について自身のTwitterで言及した。

　議論を巻き起こしているのは、３月18日に行なわれた１回戦の第１試合、東北高（宮城）対 山梨学院高（山梨）の初回のワンシーンだ。東北高の選手がエラーで出塁すると、自軍ベンチに向かって“ペッパーミルパフォーマンス”を行なった。

　同パフォーマンスは、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の日本代表であるラーズ・ヌートバー（セントルイス・カーディナルス）が、日本中に流行らせたもので、ヒットやタイムリーなどを記録した際に、チームメイトと喜びを共有する手段のひとつだ。

　選手からすれば、ブームに乗っかり、憧れの選手と同じパフォーマンスを行なっただけにすぎない。だが一塁塁審から「パフォーマンスはダメです」と注意を受けたと、東北高の佐藤洋監督は試合後に明かした。そして「なんでこんなことで、子どもたちが楽しんでいる野球を大人が止めるのかな。ちょっと嫌というか。変えた方がいんじゃないのかなと。ちょっと思いましたね」と訴えた。

　競技は違えど同じ指導者の立場として原監督は、以下のように持論を展開した。

「いまだにこんな管理者（審判）いるんだ!? 世の中個性を大切にしようと言っているのに、他者を侮辱行為してないパフォーマンスに対して制限するなんて不思議でならない。負けるな高校球児！高校野球は君たちの為にあるのだから！」
  　原監督の意見はSNSでは賛否が分かれた。「相手への侮辱ではないですか」「スポーツマンシップからするとさすがにNG」「個性とリスペクトって違うやろ」などと否定的な意見が寄せられた一方、「原さんの意見に全面支持します！」「もっと伸び伸びやるべき」「大人がやって良いなら、高校球児もして良いはず」などとの声も上がった。

　そして青学陸上部の指揮官は20日、「どの時代においてもこれからも人を侮辱する行為はあってはならない」とコメントしたうえで、「しかし、スポーツをする者、見る者、支える者の価値観は変わらなければならない！長く続くスポーツ界の悪しき体質見直さなければ…」と改めて“ペッパーミルパフォーマンス”を行なうことに賛同した。

　いまだ熱を帯びる同議論。皆が楽しみながら、気持ちよくプレーできる環境を探る必要がありそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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