激闘の後に球界の精鋭たちが見せた清々しい姿が話題となっている。

　野球を愛する人々の熱視線が注がれたのは、現地時間３月21日（日本時間22日）にフロリダ州マイアミにあるローンデポ・パークで行なわれたワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の決勝、日本代表がアメリカ代表を３対２で破った一戦だ。
【画像】地元記者も驚いたアメリカのスターたちが見せた敬意に溢れた姿をチェック

　終盤までシーソーゲームが続いた文字通りの死闘後だった。14年ぶりの世界一に侍ジャパンの面々がダイアモンドの中央付近で歓喜に沸いた。しかし、彼らが三塁線上に列をなすと、これに続くかのように敗者となったアメリカも一塁線上に整列。ほぼ同時に脱帽して、大勢の観客が詰めかけたスタンドに向け、挨拶をしたのだ。

　試合中に歓声を出し続けてくれた感謝の表れだろう。しかし、侍ジャパンはともかく、悔しさや苛立ちで溢れているであろうアメリカの精鋭たちが示した敬意、さらに冷静さを取り戻して相手の健闘を称え合った日本の英雄たち。双方に品格を感じずにはいられないワンシーンだった。
  　スター選手たちが見せたスポーツマンシップには、米記者やメディアも驚きを隠さない。日刊紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者が「アメリカが日本に敬意を示した。銀メダルを取るために整列するなんて」と感嘆。さらに米スポーツビジネスレポーターであるジョー・ポンプリアーノ氏は「アメリカが勝てないのは残念だ」としたうえで、次のように続けた。

「日本はどの世界大会において、とても素晴らしい。選手たちはどんなに地獄のような競争を繰り広げても、相手には敬意を払い続ける。それでいてファンはとても情熱的で、球場を着いた時よりも綺麗な状態で帰っていく」

　両国の振る舞いを見たファンからも「アメリカはあるべき姿を見せた」「こういう光景を見たい。彼らが大会を通じて示した情熱は凄まじいものだった」「日本も、アメリカも、ベースボールの愛は不滅だ」と反響が相次いだ。

　球界トップクラスのスターたちが、球界を彩った大会の最後に見せた“格”。それは決勝を目にした子どもたちにとっても、ロールモデルになったに違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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