3月31日、千葉ロッテはソフトバンクを相手に2023年シーズンをスタートさせる。大事な開幕投手に抜擢されたのは、プロ5年目の小島和哉だ。
過去2年連続で規定投球回をクリアし、21年は初の2ケタ勝利となる10勝を挙げた。しかし、昨季は打線の援護に見放されたこともあり3勝11敗と大きく負け越した。
ただ、小島自身はこの大幅負け越しという結果についてはそこまで深刻に捉えていない様子で、昨シーズン終盤にインタビューした際は「あまり伸びていない数字もありますけど、防御率も21年より1点近く良くなってますし、勝ち負けを含めなければいい年なんじゃないかな」と前向きに語っていた。
昨季は開幕からローテーションは守っていたものの、好投しながらも勝ち星が消えてしまう試合も多く、初勝利は6月10日のDeNA戦までずれ込んだ。
小島は昨季の投球について「勝ったらやっぱり気持ちいいです」と前置きしながら、「勝ちがつかなくても、負けがついても、自分の中でやるべきことは変わらないというか。しっかり試合を作ること、これだけ勝ちがつかない中でもいいピッチングが出来ていることは自信になります。いい学びの年になっているのかなぁというという感覚です」と振り返った。
その上で、「気持ちの持っていき方とか難しいところもあるんですけど、その中で1年間しっかり戦えれば自分の財産になると思って、しっかり最後までやりたいなと思っています」と、あくまでも前を向いていた。そんな姿勢を貫いたことが、初の開幕投手という大役につながったのかもしれない。
好投していても勝ちがつかない試合が続くとメンタルの保ち方も難しいはずだが、小島の「勝敗」に対する考え方は達観している。
「勝った負けただけで自分のピッチングの投球内容を評価することは今年(22年)はしないようにしてて」と言い、「負けてしまったらよくはないんですけど、でも負けた中でも自分でよかったところだったりとか、できたところだったりとか、そういうのは少なからずあるなとは思っていて」 「勝っても反省するところもありますし、負けても評価できるところもあるし、自分の中で評価するところの指標は考えておこうと思っています」
昨季の防御率は最終的に3.14。21年の3.76から大幅に改善させた。
「試合を作るっていうことに関しては、21年よりもすごく意識を高く持ってやっていて、ゼロに抑えることが一番でそれに越したことはないんですけど、僕ぐらいのレベルだったら、100点を目指しすぎてしまうとあまり良くない結果になることが21年は多かったので、最低限『7回2失点』を基準において、そこを目指していくっていうピッチングをやっていこうっていうのは決めています」
そして、この「7回2失点で試合を作る」意識の向上が防御率の改善につながったと小島は考えている。
「21年だったら1点もあげたくないと思って投げた結果、2点、3点取られてしまうケースもあったので、今年は最悪1点取られても2点、3点目は絶対に与えないぞっていう攻め方が出来ていたかなと思います」
そう話した小島は、さらにこう付け加えた。
「23年はもっと上を目指してやっていけたらなと思っているんですけど」
開幕投手に決まった後、球団公式YouTubeで「今年は僕の勝負の年でもあるので、しっかり初戦から100%でいけるように頑張りたいと思います」と決意を語っていた小島。この2年間で、技術的にもメンタル的にも成長した。特に、大きく負け越しながらも、ブレずに自分の投球を貫いた昨季の経験は無形の財産となったに違いない。
その経験を土台に一回りも二回りも成長した小島和哉を、開幕から見せてくれることを期待したい。
取材・文●村岡範子
【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。
過去2年連続で規定投球回をクリアし、21年は初の2ケタ勝利となる10勝を挙げた。しかし、昨季は打線の援護に見放されたこともあり3勝11敗と大きく負け越した。
ただ、小島自身はこの大幅負け越しという結果についてはそこまで深刻に捉えていない様子で、昨シーズン終盤にインタビューした際は「あまり伸びていない数字もありますけど、防御率も21年より1点近く良くなってますし、勝ち負けを含めなければいい年なんじゃないかな」と前向きに語っていた。
昨季は開幕からローテーションは守っていたものの、好投しながらも勝ち星が消えてしまう試合も多く、初勝利は6月10日のDeNA戦までずれ込んだ。
小島は昨季の投球について「勝ったらやっぱり気持ちいいです」と前置きしながら、「勝ちがつかなくても、負けがついても、自分の中でやるべきことは変わらないというか。しっかり試合を作ること、これだけ勝ちがつかない中でもいいピッチングが出来ていることは自信になります。いい学びの年になっているのかなぁというという感覚です」と振り返った。
その上で、「気持ちの持っていき方とか難しいところもあるんですけど、その中で1年間しっかり戦えれば自分の財産になると思って、しっかり最後までやりたいなと思っています」と、あくまでも前を向いていた。そんな姿勢を貫いたことが、初の開幕投手という大役につながったのかもしれない。
好投していても勝ちがつかない試合が続くとメンタルの保ち方も難しいはずだが、小島の「勝敗」に対する考え方は達観している。
「勝った負けただけで自分のピッチングの投球内容を評価することは今年(22年)はしないようにしてて」と言い、「負けてしまったらよくはないんですけど、でも負けた中でも自分でよかったところだったりとか、できたところだったりとか、そういうのは少なからずあるなとは思っていて」 「勝っても反省するところもありますし、負けても評価できるところもあるし、自分の中で評価するところの指標は考えておこうと思っています」
昨季の防御率は最終的に3.14。21年の3.76から大幅に改善させた。
「試合を作るっていうことに関しては、21年よりもすごく意識を高く持ってやっていて、ゼロに抑えることが一番でそれに越したことはないんですけど、僕ぐらいのレベルだったら、100点を目指しすぎてしまうとあまり良くない結果になることが21年は多かったので、最低限『7回2失点』を基準において、そこを目指していくっていうピッチングをやっていこうっていうのは決めています」
そして、この「7回2失点で試合を作る」意識の向上が防御率の改善につながったと小島は考えている。
「21年だったら1点もあげたくないと思って投げた結果、2点、3点取られてしまうケースもあったので、今年は最悪1点取られても2点、3点目は絶対に与えないぞっていう攻め方が出来ていたかなと思います」
そう話した小島は、さらにこう付け加えた。
「23年はもっと上を目指してやっていけたらなと思っているんですけど」
開幕投手に決まった後、球団公式YouTubeで「今年は僕の勝負の年でもあるので、しっかり初戦から100%でいけるように頑張りたいと思います」と決意を語っていた小島。この2年間で、技術的にもメンタル的にも成長した。特に、大きく負け越しながらも、ブレずに自分の投球を貫いた昨季の経験は無形の財産となったに違いない。
その経験を土台に一回りも二回りも成長した小島和哉を、開幕から見せてくれることを期待したい。
取材・文●村岡範子
【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。
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