ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の余韻が冷めやらぬなか、現地３月30日に、球界最高峰の舞台とされるメジャーリーグが開幕する。

　今季もスーパースターたちによる熾烈な競争が注目されるメジャーにおいて、野球ファンの垂涎の的となっているのが、大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）だ。先のWBCでは投打で異彩を放ち、大会MVPに輝いた28歳の天才への関心度は強まる一方である。

　いまや当たり前のように「エースで４番」を体現する球史に残るヒーローは、今季も投打で違いを生み出すと期待される。一部ではアメリカン・リーグのMVPに推挙する声も出てきているほどだ。

「彼が全盛期でいるうちは、まず他の選手が（MVPを）獲るのは容易ではない」

　そう断言するのは、カナダのスポーツ専門局『TSN』のスティーブ・ミッチェル記者だ。３月29日（現地）に掲載された記事内で、彼は大谷が今季のMVPを手にする可能性をこう論じている。
  「全盛期の真っただ中にいる間は、オオタニを毎年選ぶべきで、彼が健康であれば、最終的に投票用紙のトップ5に入る可能性はかなり高く、オッズでも堅実な賭けとなる」

　カナダと言えば、トロント・ブルージェイズが拠点を置く場所。であれば、チームの超逸材で、絶対的主砲のヴィラディミール・ゲレーロJr.をMVPに推挙したいところだ。しかし、同国の日刊紙『Tront Star』も「世代を代表するスラッガーであるゲレーロも健康を維持できるうちはブルージェイズではMVPだ」と前置きしたうえで、次のように記している。

「だが、ショウヘイ・オオタニは、いま最も興味深い選手なんだ。彼も健康が維持できれば、史上最も大金に対して説得力のあるフリーエージェントとなりえる。間違いなく彼の一挙手一投足は追うべきだ」

　MVP受賞の期待が早くも高まっている大谷は、はたしてどこまでエンジェルスを押し上げられるのか。「ヒリヒリした９月を」と願う背番号16のパフォーマンスは、今季も球界に多くの娯楽を提供してくれそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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