メジャーデビュー戦の快投に、地元メディアは歓喜に沸いているようだ。

　海外フリーエージェント権を利用して、今季よりニューヨーク・メッツに新加入した千賀滉大だ。千賀は現地４月２日、敵地マイアミ・マーリンズ戦に初先発。初回は適時打を打たれ先制点を許す不安定な立ち上がりで、この回だけで36球を投じたがユリ・グリエル、ヘスス・サンチェスをフォークで連続空振り三振で仕留め、ピンチを切り抜けた。

　２回以降は安定したピッチングを見せ、メッツが3点リードの6回に先頭打者のジャズ・チゾムJr.からウイニングショットである“お化けフォーク”で空振り三振を奪ったところで降板。マウンドから降りる千賀に、球場に駆け付けたメッツファンから大きな拍手が送られた。

　千賀は5回1/3を投げて3安打、8奪三振、3四球、1失点。リリーフ陣もゼロで抑え、メッツが５対１で勝利し、千賀はメジャー初勝利を挙げた。メッツのバック・ショーウォルター監督は「彼はいい仕事をした。誇りに思う」と称賛した。
  　千賀の好投に地元の老舗紙『New York Post』も賛辞を贈っている。同紙のマイク・プーマ記者は「コウダイ・センガのゴーストピッチにマーリンズが驚愕」と題した記事を電子版に配信。「センガは、日曜日のMLBデビューの初回をかろうじて乗り切った後、不思議なことにゴーストの力を借りて、アンタッチャブルに変身してしまった」と千賀の快投に注目している。

　続けて、「マーリンズ打線は、日本人右腕の“お化けフォーク”に空振りさせられ、この球だけで7つの三振を喫した」と、千賀の代名詞である“お化けフォーク”の威力を称賛。「それに、センガの8奪三振はメジャーデビューしたメッツの投手としては3番目に多いタイ記録だ。マット・ハービーが11個でトップを保持し、コリン・マクヒューが9個で2位である」と、メッツの歴代スターターに千賀が名を刻んだと強調した。

　試合後のショーウォルター監督は同紙に対し、「センガは私たちが獲得を熱望した男であることを今日証明できたと思う」と満足した表情で話した。

　メジャーデビュー戦で早くもニューヨーカーのハートを掴んだ千賀。30歳の日本人右腕の次戦に、早くも期待の声が高まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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