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MLB

「ショウヘイ・オオタニ以外誰にもできない」米老舗誌が”二刀流ピッチクロック違反第1号”に敬意「MLB史を塗り替えた!」

THE DIGEST編集部

2023.04.06

初回に初のピッチクロック違反を犯した大谷。打者でも6回に同じ違反行為を取られた。(C)Getty Images

初回に初のピッチクロック違反を犯した大谷。打者でも6回に同じ違反行為を取られた。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が、MLB球史をまたひとつ塗り替えた。

 現地4月5日、シアトル・マリナーズ戦に「3番・投手兼指名打者」でスタメン出場した二刀流スターは今季2度目の先発マウンドに上がった。6四死球を与え、球数は111球を要したが、要所を締めるピッチングで6回を3安打、1失点。8奪三振の粘投を見せた。試合はエンジェルスが終盤のリードを守り、4対3で勝利。大谷に今シーズン初白星が付いた。

 さらに、バットも火を吹いた。2番のマイク・トラウトが全力疾走の内野安打で1点を追加し、3対1とリードを広げて迎えた7回2死一、二塁の場面。この追加点のチャンスで、大谷は4球目の低めのスライダーをレフト前に運ぶ適時打で貴重な打点を叩き出した。この日は2打数1安打1打点、2四球だった。

 ただし、この試合最大のトピックは今季からMLBに導入された新ルール「ピッチクロック」に尽きるだろう。初回のマウンドで大谷は先取点を奪われた直後の1死一塁でカル・ラリーに初球を投じる前にピッチクロック違反でボールを取られた。

 取られた直後は戸惑いの表情を見せていたが、ラリーを見逃し三振。続くテオスカー・ヘルナンデスからも空振り三振を奪った。大谷は3アウト後、ベンチに戻る際に球審に呼び止められると、通訳の水原一平氏を呼んでフィル・ネビン監督も交え、苦笑いしながら身ぶり手ぶりで球審とピッチクロックの場面について話し込んだ。

 だが、これだけでは終わらなかった。6回表、今度は打者で第3打席目の初球でピッチクロック違反でストライクを取られたのだ。度重なる不運もあったが、大谷はこの打席を落ち着いてボールを見極め、四球を選び出塁。同日に投打でピッチクロック違反となる珍しいゲームを過ごした。
 
 二刀流でのピッチクロック違反は、当然ながら現地メディアで大いに話題となっている。複数メディアのなかには2度の違反に同情する記事もあったなか、米老舗スポーツ誌『The Sporting News』は「ショウヘイ・オオタニは投手&打者でピッチクロック違反の選手第1号となった。MLBの歴史をさらに塗り替えた!」と米球界で唯一無二の記録になると興奮している。

 同メディアは「オオタニは100マイルを超えるボールを打ち、100マイルを超えるボールを投げる。それは彼にしかできないことだ」と前置きすると、「水曜日のマリナーズ戦で、オオタニは彼以外の誰にもできないちょっとした歴史を作った。投手として、打者としてピッチクロック違反の判定を受けた」と、むしろ快挙なのではないかと強調している。

 加えて、「オオタニが同じ試合で打者と投手の両方でピッチクロック違反を問われた最初の選手として、米球界の歴史に名を刻んだのは当然といえば当然だろう」と言及。「どちらの違反も、オオタニに大きな影響を与えるものではない。彼は6回を3安打、4四球、2死球、8奪三振で1失点に抑えてマウンドを降りた。打席では2つの四球とシングル打点を放った」と投打でのパフォーマンスを評価した。

 新ルールによって生まれた新たな記録。稀代の二刀流スターへ注がれる関心は尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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