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「僕らの実力不足だ」韓国の天才打者イ・ジョンフがWBC惨敗の理由を告白「日本だって緊張していたはずなんだ」

THE DIGEST編集部

2023.04.11

日本戦ではダルビッシュから痛烈なヒットを放つなどポテンシャルの高さを見せたイ・ジョンフ。そんな好打者がWBCでの惨敗を振り返った。(C)Getty Images

 日本代表の悲願の世界制覇で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。決勝で繰り広げられたアメリカ代表との大熱戦は、列島だけでなく世界を熱狂させた。

 侍ジャパンが快哉を叫んだ同大会にあって、本領を発揮できぬまま、辛酸をなめたのは韓国代表だ。初戦のオーストラリア戦で躓いたのが最大の誤算となり、2勝2敗の3位で終焉。3大会連続の1次ラウンド敗退の憂き目に遭い、国内のファンやメディアから「東京での惨事だ」と容赦ない非難の声を浴びせられたのである。

 しかしながら、国内で危機感を募らせたショッキングな結果は、グラウンド上で戦っていた選手たちの発奮材料となっているようだ。日刊紙『東亜日報』の取材に応じた韓国の主砲を担ったイ・ジョンフは、「僕らの実力が足りなかった。厳密に言えば、ああいう局面で実力を発揮できない時点で実力不足ということだと思う」と失意の世界大会を回想。そして、世界一に輝いた"宿命のライバル"との違いを強調した。
 
「緊張というのは、選手として乗り越えなければならない部分だった。日本だって緊張していたはずなんだ。どのチームの、どんな選手も緊張はするものだからね。ただ、他の国の選手たちは緊張の中でも自分のパフォーマンスを発揮して問題を乗り越えた。でも、僕らはそうじゃなかった。恐怖に打ち勝つだけの自信が必要だったんだ」

 さらに「韓国に良いピッチャーと良いバッターがいないわけではない」と訴えた24歳の天才ヒッターは、「僕らは実力を伸ばして準備していくしかない」と、国内で相次ぐ批判に対する覚悟も口にした。

 今季終了後にはポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を公言しているイ・ジョンフ。かつて中日ドラゴンズで活躍したイ・ジョンボムを父に持つサラブレッドは、ここから声価を高める圧倒的な活躍を見せられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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