今季、先発転向を果たした西武・平良海馬(23歳)が、4月11日のロッテ戦で自身先発初勝利を挙げた。
初回に、この日1000試合出場となったロッテ・中村奨吾に1号2ランを打たれたものの、ヒットはその1本のみ。6回8奪三振2失点と数字だけを見れば、先発としての仕事を十分果たしたと言えよう。しかし、平良に笑顔はなかった。
【動画】154キロ直球で三振を奪うも首を傾げる平良
「前回(初先発)は球質が良かったので、その時のようなピッチングができればいいなと思っていましたが、思ったコースに投げられなかった。結果的にストライクでも、全然狙ったところではないので、そのあたりの違和感が初回からずっとあったりして、今日はなかなか難しかったですね」
初回、当たっているロッテ1・2番コンビの藤原恭太と藤岡裕大に対して、どちらの打者にも3球連続ボールを投じている。「厳しいコースを狙い過ぎた」と、平良自身も振り返っていたが、1番・藤原への投球は3球とも、捕手・古賀悠斗の構えたミットからコースが外れており、立ち上がりから制球に苦しんでいた様子が窺えた。
その藤原は討ち取ったものの、2番・藤岡にはフォアボール。3番・中村奨をここまで意識的に使ってきた高めの速球で仕留めに行ったが、狙った高さではなく真ん中付近への失投となり、レフトスタンドへ運ばれてしまった。
筆者が平良を取材するのは今年のオープン戦に入ってからだが、投げているボールの強さとは対照的に、基本的に感情を表に出すようなタイプではないと、取材時の受け答えから感じていた。
それが今回、ホームランを打たれた直後、手にとったロジンを力一杯地面に叩きつけ、感情を露わにした。気持ちを抑えきれなかったのだ。
「自分に対してのフラストレーションがありましたし、やはり本気でやっているので、そういうのは出ちゃいます。その後は冷静に、2回から投げられたことは良かったかなと思います」
中村奨との2回目の対戦となった3回表は、強烈なサードライナーで打ち取った。しかし、3アウトでベンチへ下がる平良は首を傾げながら、納得していないような表情でベンチ前の出迎えを受けていた。
「ちょっと角度が違えば、また長打になるボールだったので。しかも狙ったところに行ってないというところで『やっぱり、今日はおかしいな、なんか違うな』っていう感覚のズレが、本当に(試合中)ずっとフラストレーションとして、溜まっていたという感じです」
結局、感覚のズレは、投げ終えるまで続いた。
「気持ちが落ち着かなかったですね。たまにホームランの場面を思い出して『何してんだよ』って。『自分、何してんだろう』って、ちょっと(気持ちが)悪い方向に行くんですけど、やっぱり、ちょっと冷静に戻ってこれるように『また次もあるから』っていう考えで立て直す、そんな感じでした。今日はそれがずっと毎回続くという感じでしたね」
今日の平良は、ロッテ打線を相手にしながら、自分の中にある違和感と、それによってこみ上げてくる自分自身の感情の揺れ動きとも戦っていたのだ。
初回に、この日1000試合出場となったロッテ・中村奨吾に1号2ランを打たれたものの、ヒットはその1本のみ。6回8奪三振2失点と数字だけを見れば、先発としての仕事を十分果たしたと言えよう。しかし、平良に笑顔はなかった。
【動画】154キロ直球で三振を奪うも首を傾げる平良
「前回(初先発)は球質が良かったので、その時のようなピッチングができればいいなと思っていましたが、思ったコースに投げられなかった。結果的にストライクでも、全然狙ったところではないので、そのあたりの違和感が初回からずっとあったりして、今日はなかなか難しかったですね」
初回、当たっているロッテ1・2番コンビの藤原恭太と藤岡裕大に対して、どちらの打者にも3球連続ボールを投じている。「厳しいコースを狙い過ぎた」と、平良自身も振り返っていたが、1番・藤原への投球は3球とも、捕手・古賀悠斗の構えたミットからコースが外れており、立ち上がりから制球に苦しんでいた様子が窺えた。
その藤原は討ち取ったものの、2番・藤岡にはフォアボール。3番・中村奨をここまで意識的に使ってきた高めの速球で仕留めに行ったが、狙った高さではなく真ん中付近への失投となり、レフトスタンドへ運ばれてしまった。
筆者が平良を取材するのは今年のオープン戦に入ってからだが、投げているボールの強さとは対照的に、基本的に感情を表に出すようなタイプではないと、取材時の受け答えから感じていた。
それが今回、ホームランを打たれた直後、手にとったロジンを力一杯地面に叩きつけ、感情を露わにした。気持ちを抑えきれなかったのだ。
「自分に対してのフラストレーションがありましたし、やはり本気でやっているので、そういうのは出ちゃいます。その後は冷静に、2回から投げられたことは良かったかなと思います」
中村奨との2回目の対戦となった3回表は、強烈なサードライナーで打ち取った。しかし、3アウトでベンチへ下がる平良は首を傾げながら、納得していないような表情でベンチ前の出迎えを受けていた。
「ちょっと角度が違えば、また長打になるボールだったので。しかも狙ったところに行ってないというところで『やっぱり、今日はおかしいな、なんか違うな』っていう感覚のズレが、本当に(試合中)ずっとフラストレーションとして、溜まっていたという感じです」
結局、感覚のズレは、投げ終えるまで続いた。
「気持ちが落ち着かなかったですね。たまにホームランの場面を思い出して『何してんだよ』って。『自分、何してんだろう』って、ちょっと(気持ちが)悪い方向に行くんですけど、やっぱり、ちょっと冷静に戻ってこれるように『また次もあるから』っていう考えで立て直す、そんな感じでした。今日はそれがずっと毎回続くという感じでしたね」
今日の平良は、ロッテ打線を相手にしながら、自分の中にある違和感と、それによってこみ上げてくる自分自身の感情の揺れ動きとも戦っていたのだ。