ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が現地17日、ボストン・レッドソックス戦に「2番・投手兼指名打者」で出場した。今季４度目の先発マウンドは大粒の雨による長時間の中断により、2回31球で交代となった。試合はエンジェルスが5対4で逃げ切った。

【動画】注目の日本人対決は大谷翔平に軍配！
　午前11時10分の試合開始前から雨が降り始め、56分遅れで試合はスタートした。初回から４点の援護をもらった大谷だったが先頭打者に四球を与えると、２度の暴投で無死三塁とピンチを広げ、3番のロブ・レフスナイダーの遊ゴロの間に1点を失った。

　２アウト後、迎えるバッターは吉田正尚。３月のワールド・ベースボール・クラシックで侍ジャパンの世界一に貢献した４番バッターとメジャーの舞台で初対決となった大谷。初球はスイーパーでストライクを奪うと、２球目もスイーパーを投じファウルで吉田を追い込む。緩いカーブでカウントを1-2にすると、４球目はアウトコース高め158キロのストレートで空振り。この試合、最初の三振を侍ジャパンの４番から奪った。

　２回は突然の大雨による中断やピッチコム（サイン伝達機器）の故障などもあり、集中力を維持するのが難しい状況だったが、ここも大きく横に曲がるスイーパーで２者連続三振を奪い三者凡退で抑えた。

　３回表、エンジェルスの攻撃途中で再び雨が強まり、内野にシートが敷かれた。1時間25分も中断したため、大谷はそのまま降板。2回31球、無安打、奪三振3、四球１、１失点だった。
  　悪天候による長時間の中断でマウンドを降りた大谷。31球という少ない球数のなかでも、大きなウイニングショットとして多投しているスイーパーの威力は、この試合でも健在だった。

“ピッチングニンジャ”の愛称で知られる米投球分析家のロブ・フリードマン氏はツイッターに「ショウヘイ・オオタニのとんでもないスイーパー（水平ブレーク20インチ以内）」と綴り、２回裏にエンリケ・ヘルナンデス、リース・マクガイアをそれぞれ三振に仕留めた鋭く横に曲がったスイーパーの動画を投稿。その威力に驚愕の反応を示した。

　他にも、米老舗スポーツ誌『スポーツイラストレイテッド』のWebサイト『SI.com』も大谷のスイーパーに即反応。「ショウヘイ・オオタニがレッドソックス戦で投じた球は、まるでフリスビーみたいなとんでもない変化にMLBファンも仰天した」と、米ファンのリアクションを伝えている。

　記事によると、「ロサンゼルス・エンジェルスの先発を務め、野球界で最もクールな選手であるオオタニが他の誰にもできないようなことをしている。この日本人右腕は、最も厄介ないくつかのボールを持っており、なかでもスイーパーはフェンウェイ・パークで威力を発揮した」と２つの三振を奪ったボールに注目。

　同メディアが集めたツイッター上での反応を見てみると「打者にフリスビーを投げているようだ」「私がバッターなら、プレート上で泣く」「オーマイガ！」「地球上で最も優れた投手だ」「これで２番打者なんてバカげている」と感嘆の声が寄せられていた。

　２イニングわずか31球という内容ながらも米識者やファン、そして相手打者に強烈なインパクトを残した大谷の”魔球”スイーパー。二刀流の進化は止まる気配がない。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】「より良くなるために常に努力」今季3勝目を狙う大谷翔平の”調整”に驚愕の声！敵将は「最高の選手だ」と最大警戒

【関連記事】大粒の雨で長時間の中断に振り回された大谷翔平。２回31球1失点で降板も吉田正尚との”侍対決”は空振り三振で軍配！

【関連記事】「なんという光景だ」敵地でも大人気！ 大谷翔平の“異様な出待ち”に米識者は再敬礼「野球でこれほどの選手はいない」