日本球界のレジェンドとの邂逅に侍ジャパンのヒーローが酔いしれた。

　現地４月21日に敵地でのシアトル・マリナーズ戦に臨んだセントルイス・カーディナルスのラーズ・ヌートバーは、試合前に相手チームの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏と初めて対面した。

　緊張した面持ちでガッチリと握手を交わした。今春に日系人選手として初めて侍ジャパンに参戦し、日本代表のワールド・ベースボール・クラシック制覇に貢献したヌートバー。日本代表の先輩でもあり、メジャーリーグの先達であるイチロー氏のもとに挨拶に出向いた25歳は、少し会話を交わすと最後は笑顔を浮かべた。

　軽く会釈をするように頭を動かし、嬉しそうな表情でサムアップポーズをつくったヌートバー。当然、自身の憧れでもある大スターとの対面は彼にとっても刺激となった。MLB公式サイトでカーディナルス番を務めているジョン・デントン記者によれば、「イチローはとてもオープンな人だった」と本人は、束の間のひと時を振り返ったという。
  「僕らの共通の知り合いが『イチローは聞きたいことがあれば、なんでも答えてくれる』っていうんだ。それって本当に凄いことだ。僕からはWBCの経験について話した。日本や彼のような偉大な選手を失望させたくないという気持ちを伝えたよ」

　さらに「イチローからサインをもらえるけど、どうする？」と尋ねられた際の心境について「貰う！ そんなの恥ずかしくもないよ。だってイチロー・スズキだよ？ こんなチャンス逃すわけにいかない！」と即答したという。そんなヌートバーは、日本球界のレジェンドからの助言も明かしている。

「短い時間しかないのは分かっていたから出来る限り多くのことを吸収したいと思った。でも彼からは色々アドバイスをもらったよ。彼は、僕に『常に頭と鼓動を落ち着かせてプレーするように』と言ってくれた。そうやってコントロールすれば、良い反応ができるんだ」

　この３連戦のうちに「イチローからサイン入りのユニホームを貰いたい」と目標を口にしたというヌートバー。彼は伝説の安打製造機からの助言を得て、さらに飛躍をしていく。

構成●THE DIGEST編集部

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