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藤浪晋太郎は試練を越えて“自信”を取り戻せるか。ア軍監督が明かした中継ぎ転向を決断した理由「直球の破壊力は間違いない」

THE DIGEST編集部

2023.04.25

先発ローテを外れ、中継ぎへの配置転換が決まった藤浪。(C)Getty Images

先発ローテを外れ、中継ぎへの配置転換が決まった藤浪。(C)Getty Images

 失いかけていた“自信”を取り戻させるための決断がされた。

 現地4月24日、オークランド・アスレティックスのマーク・コッツェイ監督は、藤浪晋太郎を先発ローテーションから外し、中継ぎに配置転換すると発表した。

 今季に念願だったメジャー移籍を叶えた藤浪。しかし、開幕以来、当代屈指のパワーアームは極度の不振に苛まれていた。4登板で4敗を喫し、防御率は14.40。WHIP(投手が1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値)も2.07で、奪三振率も7.20と、精彩を欠いているのは火を見るよりも明らかだった。

 直近のテキサス・レンジャーズ戦(現地22日)でも2回1/3(72球)を投げて、被安打7、2奪三振、与四死球4(暴投2)、8失点と“炎上降板”。コッツェイ監督も「フジに関しては、直球の制球の問題がずっと続いている。彼は苦闘している」と断言。開幕22試合で4勝18敗というチーム状況もあいまって中継ぎへの配置換えの可能性が指摘されていた。

 そうしたなかで、首脳陣は藤浪の中継ぎ行きを決断した。日本で先発ローテーションを外れ、中継ぎの一角に加わるのは「降格」という印象が付きまとうが、今回の配置転換の主眼は本人に自信を付けさせるためというものだ。
 
 かねてから藤浪のポテンシャルを高く評価してきた指揮官は、MLB公式サイトなどの取材で、次のように語っている。

「彼とはじっくりと話をした。今の課題は自信を持って投げることにある。だから我々はフジをブルペン(この場合は中継ぎを指す)に入れ、彼がストライクを積極的に投げ、4シームの制球に自信を取り戻せるような、より影響を与えられる役割で彼を使おうと考えている」

 さらに「タフな判断ではある」と語ったコッツェイ監督は「フジの速球とスプリッターの破壊力は間違いないんだが…。だからより短いイニングでまずは投げて、そこから成長し続けることに期待する」と吐露。そして「彼とはコミュニケーションは図れている。先発に戻す可能性もあるが、まずは短いイニングで評価していく」とした。

 阪神時代にも自信をつけるために中継ぎに回った経験がある藤浪。とはいえ、彼が誰よりも先発投手にこだわりを持っているのは周知の事実だ。ここからがむしゃらに努力を重ね、今一度ローテーションに戻れるか。29歳の剛腕が試練の時を迎えている。

構成●THE DIGEST編集部
 
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