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MLB

「深刻な状況」投手陣に故障者続出で“野戦病院”と化したエ軍にMLB公式も同情「健康な投手が必要だ」

THE DIGEST編集部

2023.05.08

大谷はマルチ安打で4出塁もチームは大敗を喫した。(C) Getty Images

大谷はマルチ安打で4出塁もチームは大敗を喫した。(C) Getty Images

 ブルペン陣の完全崩壊が止まらない。現地5月7日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が本拠地でのテキサス・レンジャーズ戦に「3番・指名打者」でスタメン出場。3打数2安打1打点2四球と、今季初の1試合4出塁をマークした。大谷は3試合ぶりのヒットを記録するなどバットは冴えたが、チームは今季ワーストとなる16失点の大敗を喫した。

 エンジェルスは初回、1死一塁から大谷がボテボテのゴロをヘルメットが脱げるほど一塁へ全力疾走。当初はフィルダースチョイスと記録されたが、その後内野安打に訂正され、大谷にとって13打席ぶりの安打となった。二刀流スターの全力プレーでチャンスを広げると、4番のアンソニー・レンドーンがレフトへの3ラン本塁打で、エンジェルスが幸先良く先制した。

 ところが、先発のホゼ・スアレスが大誤算だった。前回は5回2安打無失点と好投した左腕だったが、2回にエゼケル・デュランに2ラン本塁打を浴び、あっという間に1点差。なおも1死二、三塁で犠牲フライを打たれ、すぐに試合を振り出しに戻されてしまう。

 スアレスは制球が定まらず、3回も2アウトからタイムリーヒットで2点を勝ち越されると、9番ジョシュ・スミスに右中間へ2ランホームランを打たれ一挙4点を失う。わずか2回2/3、被安打6、四球3、7失点で左腕はマウンドを降りた。

 エンジェルスはその後もリリーフ陣が崩壊。後を受けたチェイス・シルセス、クリス・デベンスキーがそれぞれ3失点し、7回までに今季ワーストの16失点。9点ビハインドの9回には内野手のジェイク・ラムがマウンドへ。前日に外野手のブレット・フィリップスが登板しており、なんと2日連続で野手が敗戦処理として登板するという屈辱的な結果になった。

 一方、大谷は好調だった。第2打席は四球で出塁、4回の第3打席は2死一、三塁のチャンスで2球目のシンカーをセンターに弾き返すタイムリーヒットを放ち、4試合ぶりの打点をマークした。6回の第4打席は一度もバットを振ることなく4球連続ボールで四球を選び、4打席連続出塁で今季初の1試合4出塁となった。

 大谷は9点を追う8回2死二塁での第5打席は初球に反応するも遊直に倒れ、3打数2安打1打点2四球で終えた。なお試合は8対16でエンジェルスが大敗し2連敗。首位を走るレンジャーズとのゲーム差が「2」に広がった。
 
 二桁失点で無残に敗れたエンジェルス。MLB公式サイトのブライアン・ライト記者はこの試合をレポートし、現状のエンジェルスが抱える問題点を表現するタイトルを付けた。同記者は「レンドーンが今季初ホームランを放ったが、より気がかりなのは…」としたうえで、「エンジェルス投手陣の層の薄さだ」と断言する。

 続けて、「フィル・ネビン監督は先発ローテーションの安定を望んでいるが、問題なのは健康な投手を必要としていることだ」と指摘。「スアレスは、ミルウォーキー・ブルワーズ戦での堅実なパフォーマンスに続くことができなかった。左肩に違和感があったのだ。2回から何かがおかしいと感じ始めた同投手は『痛みに耐えられなかった』と話している」として、現地8日にMRI検査をスアレスは受ける予定だという。

 投手陣のケガ人続出が止まらないエンジェルスについて同記者は、「オースティン・ウォーレン、ホゼ・キハーダ、アーロン・ループなどが最近ケガで離脱したチームにとって、スアレスの状況はより多くの懸念を加えることになった」と綴り、「先発投手の駒不足は、より深刻な状況だ」と今後も苦しい戦いは続いていくだろうと論じている。

 アメリカン・リーグ西地区で首位を争うレンジャーズとの首位攻防3連戦は、結果として1勝2敗で負け越してしまったエンジェルス。ブルペン陣の立て直しが急務であることは、火を見るよりも明らかである。

構成●THE DIGEST編集部

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