プロ野球

「レオと呼んで!」育成から昇格したオリックスの若き助っ人セデーニョがジャパニーズ・ドリームを叶える【オリ熱コラム2023】

どら増田

2023.05.24

19日に育成から支配下登録を勝ち取ったセデーニョ。チームの救世主となれば、「レオ」の愛称も定着するはずだ。写真:産経新聞社

 春季キャンプからチームに合流し、育成選手としてで生懸命汗を流していたオリックスの新外国人レアンドロ・セデーニョが19日に支配下登録をつかんだ。ベネズエラ出身のセデーニョは、2014年にカーディナルスに入団し、21年オフにダイヤモンドバックスへ。昨季は3Aまでは昇格したものの、メジャーデビューは果たせず、活動の場を日本に移した苦労人だ。それでも、年齢は山本由伸や山崎颯一郎らと同級生にあたり、今年の8月に25歳を迎える若きスラッガーだ。

 オープン戦では結果が出せず、育成選手としてファームで開幕を迎えたが、24試合で打率.378、1本塁打、得点圏打率.522と好成績を挙げたため、球団は支配下登録を決定。19日に不振のシュウィンデルと入れ替わる形で即一軍に昇格。日本ハム戦で6番・DHとしてスタメンに起用された。その日は無安打に終わり、20は出番なし。そして、21日の日本ハム戦で再び先発起用されると、先制タイムリーを含む2安打3打点とチームの連敗を止める活躍を見せた。

 公式の88kgではなく、実際は「120kgぐらい」という体格を見ると、思わずホームランを期待してしまうが、本人は19日のゲーム前に「試合を楽しみながらその中でいい結果が出ればいいと思っています。今日、ホームランが見せられたらいいんですけど、自分は思い切ってボールを叩くだけで、それがホームランになるかどうかは、打席の内容に結果がついて来るだけだと思うので」とキッパリ。

 その考えがファームでのハイアベレージにつながっているのだろう。21日に放ったタイムリーも打球が速い印象が残った。中嶋聡監督は「打ってくれて本当にありがたいし、(打った)方向が良かったですよね」と評価している。
 勉強家で、日本語も熱心に勉強しており、練習中はコーチやチームメイトと覚えた日本語を交えながらコミニケーションを取っており、すっかりチームに溶け込んでいる印象だ。

 チームの連敗を止める活躍をした21日の試合後も「ゲームを楽しむことに集中していたので、このままみんなで楽しんで勝ち進んでいきたい」と、自分自身の活躍に酔いしれることなく冷静にチームファーストの姿勢を強調していた。

 ヒーローインタビューでは、ファンに「レオと呼んでください」と呼びかけ、大きな「レオコール」が発生する一幕も。このまま調子を上げていければ、ファンからも愛される選手になるのは間違いない。

 オリックスの新外国人野手は、ゴンザレスが骨折により離脱、シュウィンデルは調子の浮き沈みが激しく、今季も計算通りとは言えない状況。そんな中、ジャパニーズドリームを叶えるべく来日したセデーニョへの期待はかなり高い。

 DHのない交流戦での起用も気になるところだが、持ち前の明るさに加えて、24歳という若さも大きな魅力だ。「自分はもともとハッピーパーソンなんで(笑)。チームに元気を与えたい」というセデーニョ。勉強の日々を積み重ねながら、チームとファンに野球の楽しさを伝えていく。

取材・文●どら増田