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すべてを兼ね備えた“スーパーマン”――レッズの超有望株エリー・デラクルーズがデビュー間近?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.02

「針金のような身体」と言われることもあるほど細身のデラクルーズだが、パワーもスピードも折り紙付き。次代のスター候補の一人だ。(C)Getty Images

「針金のような身体」と言われることもあるほど細身のデラクルーズだが、パワーもスピードも折り紙付き。次代のスター候補の一人だ。(C)Getty Images

 過去2年で徹底的に戦力を解体し、絶賛再建中のレッズ。今季は5月終了時点で26勝29敗、勝率.473(地区3位)。地区ライバルのカーディナルスの低迷などもあって戦力の割に検討している中、もう一つ明るいニュースがある。球団トップ有望株のエリー・デラクルーズがついにメジャー昇格間近と言われているのだ。

 21歳のデラクルーズは、196cm/91kgの細身に、有り余る才能が詰め込まれた遊撃手だ。人呼んで「打球速度に優れたスーパーマン」。規格外のパワーに加え、「大砲のような肩」と「光速以上の足」を持つと言われる球界トップクラスの若手有望株で、昨季は。1A+と2Aの計121試合で28本塁打&47盗塁と才能を見せつけた。3Aでプレーしている今季も、5月9日の試合で116.6マイル(約187.6キロ)以上の打球を3本もかっ飛ばした。

 そのポテンシャルは、同じく強肩強打で“スタットキャストの申し子”とも呼ばれる同姓の遊撃手、オニール・クルーズ(パイレーツ)とも比較される。それどころか、3歳年上のクルーズよりもデラクルーズの方が上回っていると太鼓判を押す球界関係者もいる。その理由は、22年に劇的に粗さを改善させたことにある。
 
 デラクルーズはプロ3年目の21年、ルーキーリーグと1Aの計265打席で、わずか14四球しか選ばなかった。四球率にするとわずか5.3%。当時はボールでもかまわず振っていくブンブン丸ぶりが、大きな課題とされていた。22年も若干アプローチは改善したものの、それでも四球率は7.8%と高くはなかった。それが今季は、34試合で早くも23四球を選ぶなど、劇的に打席アプローチが改善した。

「悪い球は振らない。良い球を待つ。可能なら四球を選ぶ。それだけだよ」

 選球眼の向上についてシンプルにこう語ったデラクルーズはすでにメジャーレベルとの呼び声も高く、早ければ6月中の昇格が予想されている。

 デラクルーズがプレーできる遊撃、二塁、三塁は、21年の新人王ジョナサン・インディアと、ルーキーのマット・マクレインらがひしめいているものの、出場機会確保のためにインディア放出の噂すら出ているほど。そんな再建の核であるデラクルーズが、果たしていつメジャーの地を踏むのかに注目だ。

構成●SLUGGER編集部
 
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