プロ野球

【2019主力選手通信簿・オリックス】山本&吉田は投打で球界最高級の活躍も他の選手はいまひとつで…

藤原彬

2019.12.10

オリックスは投打にMVPの大黒柱がいるものの、全体としての評価は伸び悩んだ。写真:左/朝日新聞社、右:金子拓哉(THE DIGEST写真部)

 2019総括と平行して、全12球団の主力選手の一年を5段階(A~E)の通信簿形式で振り返っていく。成績だけでなく各選手の期待値込みで採点しているので、みなさんも想像しながら読み進めてほしい。
※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=もっとがんばりましょう

    ◆    ◆    ◆

【投手】
●山岡泰輔
[試合]26 [勝敗]13-4[防御率]3.71
[投球回]170.0 [奪三振]154
評価:まずまずです(B)
副主将と開幕投手に任命され、自身初の2ケタ勝利(13勝)と最高勝率(.765)のタイトル獲得で期待に応えた。オフには球団投手最年少で1億円の大台に到達。もっとも、QS率57.7%はエースとはまだ言いがたく、防御率を含めて来季はさらなる飛躍を。

★投のMVP★
●山本由伸
[試合]20 [勝敗]8-6[防御率]1.95
[投球回]143.0 [奪三振]127
評価:よくできました(A)
先発1年目は球種を増やして異次元の投球を披露。高卒3年目では2007年のダルビッシュ有(現カブス)以来2人目の防御率1点台(1.95)でタイトルを獲得した。初登板(4月3日のソフトバンク戦)から9回無失点でも白星がつかず、援護率は12球団唯一2点台(2.36)という無援護ぶりも、ダルビッシュと似ている?

●K-鈴木
[試合]19 [勝敗]4-6[防御率]4.31
[投球回]102.1 [奪三振]88
評価:まずまずです(B)
5月18日の西武戦でプロ2年目にして初勝利。先発ローテーションに大きな穴を空けず定着できた点は合格だが、与四球率4.31と制球面は課題で、19先発で無失点も2試合のみ。本人は「ふがいない一年」と総括した。

●榊原翼
[試合]13 [勝敗]3-4[防御率]2.72
[投球回]79.1 [奪三振]59
評価:よくできました(A)
4月17日の日本ハム戦でプロ初白星。育成出身では球団史上初の勝利投手となり、5月8日の同カードで初完投も記録した。勢いある投球で4月から10試合連続QSを達成したが、5月に右肩を痛め、離脱した7月以降は1登板のみに終わった。
 
●アルバース
[試合]13 [勝敗]2-6[防御率]5.83
[投球回]63.1 [奪三振]45
評価:ガッカリです(E)
与四球率は1.42と相変わらず優秀だったが、ボールが真ん中に集まり被打率.323と打ち込まれ、被本塁打率も0.79→1.71と跳ね上がった。5月中旬からは椎間板ヘルニアで3ヵ月離脱した。2年契約最終年の来季は正念場を迎える。

●近藤大亮
[試合]52 [勝敗]4-6 [ホールド]22
[防御率]3.44 [投球回]49.2 [奪三振]61
評価:まずまずです(B)
安定感を欠き二軍落ちも経験したが、チーム最多の26ホールドポイントに加えて3年連続50登板&防御率3.50以下。ただ、9月9日の試合前の練習中にボールが顔面に直撃して鼻骨を骨折し、シーズンを終えた。

●ディクソン
[試合]37 [勝敗]2-1 [セーブ]18
[防御率]3.03 [投球回]35.2 [奪三振]38
評価:まずまずです(B)
故障で出遅れ6月の一軍昇格からチーム事情でブルペンへ回り、増井浩俊の不振で中盤戦からはクローザーを務めて18セーブ。プレミア12米国代表でも抑えとして投げた。

●田嶋大樹
[試合]10 [勝敗]3-4[防御率]3.44 
[投球回]49.2 [奪三振]40
評価:がんばりましょう(D)
昨年6月に左ヒジを痛めて実戦から離れていたが、6月5日のDeNA戦で約1年ぶりの白星を挙げるなど、交流戦3試合は防御率1.06。ただ、パ・リーグ球団には防御率4点台と苦しみ、8月の二軍落ち以降は一軍に再昇格できなかった。

●海田智行
[試合]55 [勝敗]1-2 [ホールド]22
[防御率]1.84 [投球回]49.0 [奪三振]33
評価:よくできました(A)
左ヒジにメスを入れた2017年から4登板に終わった昨季を経て、自己最多の55登板と23ホールドポイント。アウトロー主体の投球で被本塁打を1本のみに抑え、キャリアベストの成績を残した。
 
●増井浩俊
[試合]53 [勝敗]1-4 [セーブ]18
[防御率]4.83 [投球回]50.1 [奪三振]64
評価:がんばりましょう(D)
与四球率が前年同様4個台と制球に苦しみ(4.29)、WHIP1.49は救援50投球回以上でリーグワースト。6月中旬に抑えの座を失った。数少ない明るい話題は、史上2人目の150セーブ&150ホールドを達成したこと。
 
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