プロ野球

【2023ドラフト候補ランキング|11~20位】霞ヶ浦の本格派右腕・木村の順位が急上昇。山形中央の大型二刀流・武田にも要注目<SLUGGER>

西尾典文

2023.07.10

二刀流として活躍する山形中央・武田(左)と急成長中の霞ヶ浦・木村(左)。どちらもスケールの大きな高校生選手だ。写真:西尾典文

 1月1日に公開した前回のランキングから半年。春のシーズンを経て、夏を迎えた現時点で、各ドラフト候補たちの現状はどうなっているだろうか。最新版のランキングをお届けしよう。今回は20~11位を紹介する。

▼20位:古謝樹[投手・桐蔭横浜大](前回順位:41位)
(こじゃ・たつき/左投左打/湘南学院高)

神奈川大学リーグを代表する本格派サウスポー。今年春は5勝0敗の大活躍でチームを優勝に導くと、大学選手権でも初戦で敗れたものの最速153キロをマークしてスタンドをどよめかせた。アベレージはそこまで速くないが、勝負所でのストレートの勢いは素晴らしいものがある。縦のスライダー、チェンジアップのブレーキも十分で、空振りを奪える。スタミナ面が強化されればプロでも先発として勝負できる可能性は高いだろう。
#赤丸急上昇 #縦の変化
将来像:今永昇太(DeNA)

▼19位:木村優人[投手・霞ヶ浦高](前回順位:42位)
(きむら・ゆうと/右投左打)

 今年の関東を代表する本格派右腕。好投手が揃っていた旧チームでも外野手兼投手として活躍し、早くから注目を集めていたが、一冬を超えてさらにスケールアップを果たした。最速150キロと紹介されることが多いが、ストレート以上に素晴らしいのが変化球だ。カットボール、スプリットはストレートと同じ軌道から鋭く変化し空振りを奪う。制球力も高く、自ら崩れるようなこともない。今年の高校生右腕では全国でも屈指の存在と言えるだろう。
#好素材 #フォーム◎
将来像:上沢直之(日本ハム)

▼18位:武田陸玖[投手・山形中央高](前回順位:33位)
(たけだ・りく/左投左打)

 投手、野手両面で注目を集めている二刀流候補。投げては常時140キロ台を超えるスピードがあり、サウスポーらしい角度も光る。また打者としてもヘッドがきれいに抜け、ヘッドスピードと打球の速さも超高校球だ。4月のU-18侍ジャパン候補合宿でも投打に高いパフォーマンスを見せて馬淵史郎監督を唸らせた。春の県大会はコンディション不良で欠場したまま敗退しただけに、夏は投打にわたる大活躍に期待したい。
#二刀流 #万能タイプ
将来像:投手/岩瀬仁紀(元中日)、野手/雄平(元ヤクルト)
▼17位:広瀬隆太[三塁手・慶応大](前回順位:11位)
(ひろせ・りゅうた/右投右打/慶応高)

 今年の大学球界を代表するスラッガー。神宮球場の中段に飛び込むホームランも多く、遠くへ飛ばす力は大学球界で間違いなくナンバーワンだ。この春は厳しいマークに苦しんで打率1割台に沈んだものの、それでも5本塁打を放って長打力は十分に発揮した。少し打撃が淡白で簡単に三振する打席が多いのは課題だが、リーグ戦通算18本塁打の長打力は大きな魅力であり、大砲候補が欲しい球団には非常に魅力的な存在だ。
#神宮の星 #右の大砲
将来像:浅村栄斗(楽天)

▼16位:上田大河[投手・大阪商業大](前回順位:12位)
(うえだ・たいが/右投右打/大阪商業大高)

 関西の大学球界を代表する本格派右腕。高校時代からプロ注目の好投手だったが、大学でも順調にスケールアップし、昨年から2年連続で大学日本代表にも選ばれた。大学選手権ではストレートが走らず、本調子からは程遠い内容だったが、それでも変化球を主体に組み立てて試合を作るのはさすがだ。実績と安定感という意味では今年の大学生投手の中でも屈指なだけに、上位候補という評価は揺らぐことはなさそうだ。
#関西ナンバーワン #大学日本代表
将来像:清水昇(ヤクルト)