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若手の急成長で低迷期を脱却し、黄金期到来待ったなし!――藤浪晋太郎がトレード移籍したオリオールズってどんなチーム?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.20

若手選手が次々に台頭し、超激戦のア・リーグ東地区でついに首位に立ったオリオールズ。藤浪もこの勢いに乗っていきたい。(C)Getty Images

 7月19日(現地)、藤浪晋太郎が電撃トレードでアスレティックスからオリオールズに移った。日本のファンには決してなじみが深いとは言えないオリオールズだが、現在、MLBで最も将来性の高いチームの一つとして球界内では注目を集めている。

 一時期はタンキング(注:ドラフト上位指名権を得るために半ば意図的に低迷すること)で徹底的に負けていたが、その間に優れた若手有望株をトレードやドラフトで大量に獲得。昨年は19年ドラフト全体1位で指名した捕手のアドリー・ラッチマンがメジャーデビューを果たすといきなり新人王投票2位に入る活躍を見せ、チームも89勝73敗と久々に勝ち越した。

 ラッチマンは今季も2年目のジンクスを吹き飛ばし、球宴ホームラン・ダービーにも出場。1回戦で敗退したものの、左右両打席に豪快な当たりを連発して強烈な爪痕を残した。

 他にも、遊撃手のガナー・ヘンダーソン、大型右腕グレイソン・ロドリゲスら球界でもトップレベルの超有望株が続々とメジャーデビュー。若手選手の充実度はMLB随一で、今後は彼らをトレードの駒にして大物選手の獲得に動くとみられている。


 19日は藤浪獲得発表に先立って強豪ドジャースに8対5で勝利。レイズに代わって、ついに超激戦のア・リーグ東地区で首位に立った。この勢いに乗って、8月1日のトレード・デッドラインまでに有力投手の補強に動く可能性は高そうだ。
 前身はセントルイス・ブラウンズで、1954年のボルティモア移転を機にオリオールズと改称した。70年代に名将アール・ウィーバーの下で黄金期を築き、95年にはカル・リプケンJr.が連続試合出場のMLB記録を達成して全米の話題となった。ただ、83年に世界一に輝いたのを最後に、実に40年間もワールドシリーズから遠ざかっている。

 本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズ(通常カムデンヤーズ)は、ベーブ・ルースの生家のすぐ近くにあり、全米でも最も美しいボールパークの一つとして知られている。21年オフの改修でレフトフェンスまでの距離を約9mも下げ、フェンスも高くしたため投手有利の球場に変身。藤浪にとっても味方になってくれるに違いない。

 ちなみに、これまでオリオールズのユニフォームを着てメジャーの公式戦に出場した日本人選手は上原浩治(2009~11年)のみ。11年オフには和田毅が入団したが、故障のためメジャー登板はなかった。藤浪は実にチーム12年ぶりの日本人選手となる。

構成●SLUGGER編集部

 
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