MLB

エンジェルスに逆風!? 地区ライバルのレンジャーズがサイ・ヤング賞3度の大物マックス・シャーザーを獲得<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.30

シャーザーのシーズン途中移籍はこれで2度目。21年にナショナルズからドジャースへ移籍して以来のことだ。(C)Getty Images

 現地7月29日、レンジャーズがメッツからメジャー通算210勝のマックス・シャーザーを獲得する大型トレードが成立した。

 27日に39歳になったばかりのシャーザーは、過去にサイ・ヤング賞を3度受賞した、超大物投手だ。2022年にメッツと3年1億3000万ドルで契約し、今季は史上最高年俸の4333万ドルを得る身だったが、チームが低迷していることからトレードの有力候補に挙げられていた。球団間で合意した後、全球団にトレード拒否権を持つシャーザーの承認待ちとなっていたが、本人が移籍を承諾。後はメディカルチェックを経て正式合意に至る見通しだ。

 メッツはシャーザーと引き換えに、今季ナ・リーグMVP候補に挙げられるロナルド・アクーニャJr.の弟で、自らも三拍子そろった遊撃手のルイサンゲル・アクーニャをレンジャーズから得る。
 
 また同日、シャーザーは今季終了後のオプトアウト権(契約を破棄してFAに慣れる権利)を行使しないことを表明。これによって、本来はレンジャーズにシャーザーの今季の残り年俸+来季年俸4333万ドルの負担義務が生じるが、メッツがこのうち約3600万ドルを支払うことにも合意。レンジャーズは約2250万ドル程度の"格安"で大エースを獲得できることとなった。

 ア・リーグ西地区の首位を走るレンジャーズは、これで4月末に右ヒジの炎症で離脱したジェイコブ・デグロムに代わるエース格の投手を得たことになる。地区ライバルのアストロズが追い上げつつあり、エンジェルスも大型補強を展開する中、球団7年ぶりのプレーオフ進出に向けて、さらに大きく前進したと言えそうだ。

 なおメッツは、シャーザーと同様に過去3度サイ・ヤング賞に輝き、今季は同じく史上最高年俸の4333万ドルを得ているジャスティン・バーランダーも、昨季まで在籍していたアストロズとのトレードを熱心に話し合っているという。もし大エースがともに同地区のライバルに移籍するとなれば、エンジェルスにとっては大いなる逆風となる。大谷翔平の"ラストイヤー"にプレーオフへ進出するためには、さらなる補強が必要かもしれない。

構成●SLUGGER編集部
 
NEXT
PAGE
【動画】老いてなお盛ん。大エース、シャーザーの3者連続三振!