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プロ野球

同じ“小木田世代”の由伸、宇田川、山崎颯に続け!オリックス小木田敦也の「プロ2年目の進化」【オリ熱コラム2023】

どら増田

2023.07.31

WBC代表にもなった山本、宇田川、山崎颯はいずれも同い年だが、なぜか「小木田世代」と呼ばれる。写真:ネギドラム

WBC代表にもなった山本、宇田川、山崎颯はいずれも同い年だが、なぜか「小木田世代」と呼ばれる。写真:ネギドラム

 オリックスの中継ぎ陣で奮闘している男がいる。プロ2年目の小木田敦也だ。角館高からTDKを経て、2021年ドラフト7位入団。山本由伸、山崎颯一郎、宇田川優希の同級生とともに「小木田世代」として、グッズも販売されるなど知名度を上げてきた。

 ルーキーイヤーの昨年は16試合に登板して防御率3.14、5ホールドを記録。今季は7月30日現在で24試合で防御率1.74、1勝2ホールドと、イニングまたぎも可能な中継ぎとして頭角を現わしてきている。

 中でも、7月11日のロッテ戦で4点ビハインドの中、5回から登板して3イニングをパーフェクトに抑えた登板が印象に強い。この日はブルペンデーだったが、先発のコットン、2番手のワゲスパックがそれぞれ2回2失点と乱調。中嶋聡監督は5回から小木田を投入した。

 その時のことについて小木田は「そうですね。ああいった展開だったんで、とりあえず一人ずつ 丁寧に抑えていこうっていう気持ちで上がりました」と振り返っている。その日、小木田が効果的に使っていたのがフォークだ。「フォークがかなり操れていたので、その点で言えばいつもより良かったと思います」と本人も手応えがあったようだ。

 3イニングのロングリリーフになったことに関しては「予定通りではないと思いますね。多分行っても2(イニング)とかだったと思うんですけど。やっぱり 長いイニングを稼ぎたいなと思って上がったので、結果的に3イニング投げられたんで、良かったかな」と総括。「やっぱり、勝ちパターンで投げてるピッチャーではないので、できるだけアピールしたいっていう気持ちがホントに強く出てたっていう。その結果が3イニング目になったのかなと思う」と力強く語った。

 前半戦は自責点こそつかないものの打たれる場面もあったが「去年から、サチヤさん(山崎福也)の先発の時に途中から上がって全員ランナー返したりとかっていう場面がホントに多かった・引きずるところが結構多かったと思うんで、昨年は。そこはしっかり考え直してというか、見つめ直して試合に入り込めたのかなと思います」と精神面での成長にも手応えを感じている。
 
 今季はチェンジアップ習得にも取り組んでいる。「今までの野球人生で、遅い、こっち側(右打者方向)に逃げる球を投げたことがなくて、それが練習して試合で使えることになったことで、フォークもうまく抜けるようになったで、そういった面では本当にいいものを習得できたのかなと」

 実践を通じて、新たなチャレンジにも意欲的に取り組んでいる小木田。後半戦の目標は「最初は出遅れたというか、開幕一軍はなかったんですけど、 途中から来てシーズン中盤かまで来たんで、しっかりチームの役に立てればなと 思います」とフル回転も辞さない考え。

 小木田世代のグッズが売れていることに関しては「自分の他3人のピッチャーがホントにすごい。まあ、そこまで近づけるように努力していきたいと思います」と笑みを浮かべながら語った。

 後半戦の初戦、小木田は7月22日の日本ハム戦で、ブルペンデーの先発として起用されたが、期待には応えられなかった。しかし指揮官の信頼は変わることなく、28日の日本ハム戦は2イニングを無失点、30日の同じく日本ハム戦でも最終回に登板してゼロで抑えている。

 昨年は阿部翔太と宇田川が後半戦の中継ぎ陣を引っ張っていたが、今年はここに小木田が加わることになりそうだ。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
 

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