夏の甲子園出場を賭けた地方大会もすべて終了し、49の代表校が出揃った。今年の地方大会で特に話題となったのが強豪校の敗退だ。センバツ優勝の山梨学院、準優勝の報徳学園、そして近年圧倒的な強さを誇っている大阪桐蔭も地方大会で敗れている。センバツでベスト4に残ったチームのうち、夏も甲子園の土を踏むのは広陵だけ。いかに勝ち続けることが難しいかを思い知らされる結果となった。
しかし、強豪が敗れるたびにスポーツ紙など各種メディアで“波乱”という言葉が躍るのには違和感を覚えるのもまた事実である。山梨学院が敗れた駿台甲府は昨年秋も関東大会に出場しており、最速151キロをマークした平井智大など力のある投手を3人揃えている。報徳学園が敗れた神戸国際大付、大阪桐蔭が敗れた履正社もライバルと言える存在であり、大きな力の差がある相手ではない。
他を見ても敦賀気比を破った福井商、高松商を破った寒川、明徳義塾を破った高知中央なども県内では力のあるチームであり、本当の意味で波乱と言えそうなのは昨年秋、今年春と早々に県大会で敗れていながら、智弁和歌山を破った高野山くらいではないだろうか。ちなみに今年のセンバツに出場したチームで夏の甲子園も出場を決めたのは11校で、昨年の12校と比べても特別少ないわけではない。延長10回からタイブレークとなったことによる影響は多少あったと思われるが、ほとんどが報道による「作られた波乱」という印象は否めない。
むしろスポットライトを当てるべきは、他のチームから厳しいマークに遭いながらも、前評判通りに地方大会を勝ち上がってきたチームではないだろうか。中でも、改めて強さを感じさせたのが昨年夏の覇者である仙台育英とセンバツベスト4の広陵の2校だが、共通しているのはやはり春から夏にかけてのチーム力の上積みの大きさだ。
仙台育英は新チーム発足が遅れた影響もあってか、昨年秋、今年春のセンバツでは打線がかみ合わず、なかなか得点を取ることができていなかった。センバツ3試合でのチーム打率は.264、長打はわずか1本に終わっている。決して打ち勝つチームではないものの、前年夏の甲子園と比べても全体的に「振れていない」と感じた人も多かったはずだ。
しかし、センバツ終了後から打撃に関しては明らかに改善が見られる。春の東北大会では準優勝に終わったものの、3試合で8本の長打が飛び出しており、さらに夏の宮城大会では5試合で長打25本、4本塁打を記録したのだ。センバツや東北大会に比べると相手のレベルが落ちる試合が多かったということはあるものの、最大の山場となった準々決勝の東北戦ではセンバツでは目立っていなかった斎藤敏哉が試合を決める満塁ホームランを放っており、戦力の底上げに成功したことを強く印象づけた。
また、元々の強みである投手陣も、経験豊富な高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔の3人に加えて田中優飛、武藤陽世のサウスポー2人が成長したことでさらに層が厚くなった。高橋、湯田、仁田の3人もそれぞれレベルアップしており、激しいチーム内競争が上手く機能していると言えるだろう。
しかし、強豪が敗れるたびにスポーツ紙など各種メディアで“波乱”という言葉が躍るのには違和感を覚えるのもまた事実である。山梨学院が敗れた駿台甲府は昨年秋も関東大会に出場しており、最速151キロをマークした平井智大など力のある投手を3人揃えている。報徳学園が敗れた神戸国際大付、大阪桐蔭が敗れた履正社もライバルと言える存在であり、大きな力の差がある相手ではない。
他を見ても敦賀気比を破った福井商、高松商を破った寒川、明徳義塾を破った高知中央なども県内では力のあるチームであり、本当の意味で波乱と言えそうなのは昨年秋、今年春と早々に県大会で敗れていながら、智弁和歌山を破った高野山くらいではないだろうか。ちなみに今年のセンバツに出場したチームで夏の甲子園も出場を決めたのは11校で、昨年の12校と比べても特別少ないわけではない。延長10回からタイブレークとなったことによる影響は多少あったと思われるが、ほとんどが報道による「作られた波乱」という印象は否めない。
むしろスポットライトを当てるべきは、他のチームから厳しいマークに遭いながらも、前評判通りに地方大会を勝ち上がってきたチームではないだろうか。中でも、改めて強さを感じさせたのが昨年夏の覇者である仙台育英とセンバツベスト4の広陵の2校だが、共通しているのはやはり春から夏にかけてのチーム力の上積みの大きさだ。
仙台育英は新チーム発足が遅れた影響もあってか、昨年秋、今年春のセンバツでは打線がかみ合わず、なかなか得点を取ることができていなかった。センバツ3試合でのチーム打率は.264、長打はわずか1本に終わっている。決して打ち勝つチームではないものの、前年夏の甲子園と比べても全体的に「振れていない」と感じた人も多かったはずだ。
しかし、センバツ終了後から打撃に関しては明らかに改善が見られる。春の東北大会では準優勝に終わったものの、3試合で8本の長打が飛び出しており、さらに夏の宮城大会では5試合で長打25本、4本塁打を記録したのだ。センバツや東北大会に比べると相手のレベルが落ちる試合が多かったということはあるものの、最大の山場となった準々決勝の東北戦ではセンバツでは目立っていなかった斎藤敏哉が試合を決める満塁ホームランを放っており、戦力の底上げに成功したことを強く印象づけた。
また、元々の強みである投手陣も、経験豊富な高橋煌稀、湯田統真、仁田陽翔の3人に加えて田中優飛、武藤陽世のサウスポー2人が成長したことでさらに層が厚くなった。高橋、湯田、仁田の3人もそれぞれレベルアップしており、激しいチーム内競争が上手く機能していると言えるだろう。
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