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トレード成立→新天地で1試合も出場せずに解雇!?デッドライン当日に起きた“世にも奇妙なトレード”の真実<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.08.02

16年から3年連続打率3割を記録するなど実績十分のセグーラだが、今回はトレード成立と同時に解雇されてしまった。(C)Getty Images

16年から3年連続打率3割を記録するなど実績十分のセグーラだが、今回はトレード成立と同時に解雇されてしまった。(C)Getty Images

 ジャスティン・バーランダーやマックス・シャーザーをはじめ、今年もトレード・デッドライン(現地8月1日)を前に数多くの有力選手がチームを移った。

 そんな中、デッドライン間際にガーディアンズとマーリンズの間で成立したある“奇妙な”トレードが話題を呼んでいる。

 このトレードでは、マーリンズがベテラン内野手のジーン・セグーラとマイナー有望株のカリル・ワトソンを放出し、ガーディアンズから強打の一塁手ジョシュ・ベルを獲得するというものだった。

“奇妙”なのは、トレード成立時点ですでに「セグーラはガーディアンズに合流することなく解雇される見込み」と報道されていたことだ。トレードで獲得した選手を1試合も起用することなく解雇するとは一体どういうことなのだろうか?

 順を追って説明しよう。まず、ベルとセグーラの契約内容は以下の通りだ。
▼セグーラ
2年1700万ドル+バイアウト200万ドル
※バイアウト=オプション契約更新を拒否する場合に球団が払うお金のこと

▼ベル
2年3300万ドル

 ベルとセグーラを交換するだけで、ガーディアンズは1400万ドルも資金を浮かせることができる。実はガーディアンズにとって、これこそが今回のトレードの最大の目的だった。

 スモールマーケット球団のガーディアンズにとって、1400万ドルは大金。このまま不良債権を抱え続けるより、少しでも多く回収しておきたいという思惑が働いたわけだ。内野に人材が揃っているガーディアンズにとって、セグーラは戦力としては何の魅力もないが、ベルの契約を整理できるならそれだけでトレードをまとめる価値はある。そして、その目的を達成できた以上、セグーラは用済みなのですぐに解雇する、というわけだ。

 日本ではにわかには考えられない話だが、メジャーではこの手のトレードは決して珍しくはない。おそらくセグーラもその辺の事情は代理人を通じて承知のはずで、特にわだかまりは抱いていないだろう。ガーディアンズに合流する手間も省け、そのままどこかのチームからお呼びがかかるのを待つことになる。

構成●SLUGGER編集部

 
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