プロ野球

【現役ドラフトを考える Vol.3】新天地でチャンスをつかめ! THE DIGESTが選ぶ現役ドラフト移籍候補12人

出野哲也

2019.12.16

ここ2年は制球難に苦しんでいる薮田だが、17年には15勝を挙げてリーグ優勝に貢献。環境を変えれば復活できるかもしれない。写真:朝日新聞社

 Vol.2の記事で紹介した方式にした場合、現役ドラフトの対象となる選手は60人を超える。その中から、環境を変えることでチャンスを得られそうな選手を12人ピックアップしてみた。

●藪田和樹(広島)
ここ2年間は制球難で苦しみ、登板数が減って指名対象になってしまった。だが17年には15勝、防御率2.58の好成績を残した実力派。全11球団から指名があっても不思議はないが、ソフトバンク、巨人、楽天などの間で争奪戦になるか?

●釜田佳直(楽天)
ルーキーシーズンからローテーション入り、16年も7勝。肘の手術明けの今季は一軍で5試合しか投げなかったが、二軍では16試合で防御率2.12。26歳と若く復活の可能性充分で、特に藪田が抜けるとしたら広島には必要になる。

●福谷浩司(中日)
先発に転向した今季は腰痛のため一軍登板は1試合だったが、かつては抑えとしても活躍した速球派。150kmに迫るストレートは魅力で、投手力の整備が急務の西武、ヤクルトのほか、巨人が欲しがるタイプでもある。

●松本剛(日本ハム)
17年は規定打席に到達しリーグ10位の打率.274。その後は故障もあって出場機会が減っているが、内外野を守れる器用さも売り物。江越と陽川が抜けるとしたら穴埋めで阪神、右打ちの外野手が少ないオリックスも候補になる。
 
●堂林翔太(広島)
高卒3年目の12年にフル出場したが、14年以降は100試合にも満たずカープでは先が見えた感がある。他球団で再出発を図るには、筒香嘉智、バレンティンの抜けるDeNAやヤクルトが候補。在京球団なら奥様の仕事にも好都合?

●平田真吾(DeNA)
成績こそ伴っていないものの、140km台後半の速球で三振を奪う能力は高い。環境が変われば化ける可能性もあると思われ、吉井理人投手コーチのいるロッテや、投手優位の球場が本拠の日本ハムが良さそう。

●谷口雄也(日本ハム)
二軍では打率.339、OPS.928と打力には確かなものがあり、好守とは言えないが打撃専門タイプでもない。左打ちの外野手はどの球団もダブつき気味なのがネックだが、地元の中日ならチャンスはある。女性ファンの多さも隠れた魅力。

●江越大賀(阪神)
18年は二軍で15本塁打を放ったが、粗さが抜けきれず身体能力の高さが生かされていない。打撃指導に長けたコーチの下なら開花するかもしれず、西武で秋山翔吾の後継者を狙うか、外野のレギュラーが高齢化しつつあるソフトバンクでも面白い。