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プロ野球

「あの時はお袋にひどく叱られたよ…」クロマティが振り返る伝説の名場面5選【インタビューVol. 2】

2019.12.11

今も語り継がれる熊本での乱闘時間。この時はエキサイトしていたクロマティ氏だが、後で反省しきりだったとか。写真:朝日新聞社

今も語り継がれる熊本での乱闘時間。この時はエキサイトしていたクロマティ氏だが、後で反省しきりだったとか。写真:朝日新聞社

 かつて、ゴールデンタイムで毎日、プロ野球が放映されていた時代があった。そして、その大半は巨人戦だった。江川、原、中畑、篠塚……といった名前は、とりたてて野球が好きでもない人にも名字だけ通じるネームバリューがあった。

 そんな時代に、他の選手にはない個性を放っていたのがウォーレン・クロマティだった。独特のクラウチング・スタイル(当時、あの打撃フォームを真似しなかった野球少年がいただろうか?)やユニークな歌詞(「楽をしてもクロウ、クロウ、苦労してもクロウ、クロウ」)が耳に残る応援歌、チューインガムをふくらませたり、客席に向かってバンザイするなどのパフォーマンス……。「紳士の球団」ジャイアンツにはちょっとミスマッチの親しみやすさからか、アンチ巨人からも人気を集めていた彼は、プロ野球がお茶の間の主役だった最後の時代のヒーローだった。

 クロマティは日本時代にいくつもの名場面を作った。誰もが知っている「あの」乱闘事件も含め、数々の名シーンを改めて本人に振り返ってもらった。
 
――個人的に特に印象深いのは、神宮球場のヤクルト戦で、頭にデッドボールを受けた翌日に代打満塁ホームランを打った試合です(1986年10月2日)。

 あれは俺にとっても、一番思い出に残る試合だね。あれですべてが変わった。あの瞬間、あの夜、日本のすべてのファン、選手、メディアが俺についての印象を変えたと思う。

――実際、頭の状態はどうだったんですか?

 大丈夫だったよ。頭にボールを食らった時はもちろん痛かったし、いろんな色が頭に浮かんできたよ。青、黄色、白、黒とかね。ストレッチャーで病院へ運ばれる時に球場の通路を通って、ホットドッグなんかを買うファンの間を抜けていったんだ。あれは忘れられないなあ。
 

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