プロ野球のペナントレースはいよいよ佳境を迎えようとしている。シーズン終了まであと1ヵ月余りとなり、賞レースの行方も気になるところ。そこで、沢村賞と新人王争いの状況をおさらいしておこう。
※成績は8月24日時点。データ提供:DELTA
■沢村賞
本命:山本由伸(オリックス)
〇支配力と安定感を兼備
△投手五冠獲得は逃しそう
対抗:髙橋光成(西武)
〇リーグ最多完投&完封のタフネス
△個人の実力を示す指標では山本に見劣り
大穴:村上頌樹(阪神)
〇クオリティの高い投球
×チーム成績の恩恵なし
大穴:バウアー(DeNA)
〇中4日登板でフル回転中
△シーズン終盤の疲労の蓄積は? 高橋はいずれもリーグ最多の4完投と2完封を記録するなど、労働量では山本を上回る。また、山本はクライマックスシリーズ以降をにらんだ起用が個人成績の上積みにはマイナスに作用する可能性もあるが、対照的に後者は個人の明るい話題が歓迎される状況を後押しに変えられそうだ。
そうは言っても、奪三振率(9.07/7.09)やK/BB(6.40/2.74)など、投手個人の力量を示す指標には小さくはない開きがある。その点を鑑みても、山本の史上最多に並ぶ3度目の受賞の可能性が高いと言えるだろう。
あえて大穴を選ぶのであれば、勢いのある村上と中4日登板を繰り返すバウアーか。しかし、MVP投票とは違い、個人成績が物を言う沢村賞では村上にチーム好調のアドバンテージは付与されない。選考項目の勝利(7勝)、勝率(.583)も他の候補と比べて見劣りする。バウアーはフル回転で猛烈な追い上げを見せているが、途中加入のハンデもあり、シーズン通算成績で見た時に山本に追いつけるかどうか。
床田寛樹(広島)、東克樹(DeNA)の両左腕も防御率1点台の領域を目指せそうで、勝ち運にも恵まれているだけに、候補に入ってくるかもしれない。ただ、どちらも奪三振数が少ないのがマイナス材料だ。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
※成績は8月24日時点。データ提供:DELTA
■沢村賞
本命:山本由伸(オリックス)
〇支配力と安定感を兼備
△投手五冠獲得は逃しそう
対抗:髙橋光成(西武)
〇リーグ最多完投&完封のタフネス
△個人の実力を示す指標では山本に見劣り
大穴:村上頌樹(阪神)
〇クオリティの高い投球
×チーム成績の恩恵なし
大穴:バウアー(DeNA)
〇中4日登板でフル回転中
△シーズン終盤の疲労の蓄積は? 高橋はいずれもリーグ最多の4完投と2完封を記録するなど、労働量では山本を上回る。また、山本はクライマックスシリーズ以降をにらんだ起用が個人成績の上積みにはマイナスに作用する可能性もあるが、対照的に後者は個人の明るい話題が歓迎される状況を後押しに変えられそうだ。
そうは言っても、奪三振率(9.07/7.09)やK/BB(6.40/2.74)など、投手個人の力量を示す指標には小さくはない開きがある。その点を鑑みても、山本の史上最多に並ぶ3度目の受賞の可能性が高いと言えるだろう。
あえて大穴を選ぶのであれば、勢いのある村上と中4日登板を繰り返すバウアーか。しかし、MVP投票とは違い、個人成績が物を言う沢村賞では村上にチーム好調のアドバンテージは付与されない。選考項目の勝利(7勝)、勝率(.583)も他の候補と比べて見劣りする。バウアーはフル回転で猛烈な追い上げを見せているが、途中加入のハンデもあり、シーズン通算成績で見た時に山本に追いつけるかどうか。
床田寛樹(広島)、東克樹(DeNA)の両左腕も防御率1点台の領域を目指せそうで、勝ち運にも恵まれているだけに、候補に入ってくるかもしれない。ただ、どちらも奪三振数が少ないのがマイナス材料だ。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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