■新人王(セ・リーグ)
本命:村上頌樹(阪神)
〇資格者では頭抜けた成績
×6月以降は勝ち星伸びず
対抗:秋広優人(巨人)
〇スケールの大きな打撃でアピール
×走塁と守備は課題
大穴:横川凱(巨人)
〇先発として及第点の成績
×稼働量不足
MVPや沢村賞は難しくても、村上の新人王獲得は濃厚だ。開幕前は先発ローテーションにも入っていなかったが、安定した投球で防御率のタイトル争いを繰り広げ、チームの快進撃にも大きく貢献している。あえてマイナス材料を探せば、6月からは2勝4敗の勝ち運のなさぐらいで、あと3勝を上積んで白星が2ケタに到達すれば当確だろう。
インパクトだけなら、秋広も負けてはいない。7月に4試合連続本塁打を放ち、20歳にして2ケタ本塁打へ到達し、打率でもリーグ10傑入りをうかがう。年齢を考えれば驚異的な打棒だが、高卒3年目で村上より5歳若い点を加味しても、成績の差を覆すには至らない。
秋広のチームメイトである横川も一軍定着1年目で先発ローテーションに食い込み、防御率3.26と及第点だが、5イニング以内での降板が多く、積み上げが十分ではない。2人の活躍はチームの将来に向けての光明ではあるが、新人王レース参戦についてはタイミングが悪かった。 ■新人王(パ・リーグ)
本命:山下舜平大(オリックス)
〇一軍1年目から能力を発揮
×規定投球回にはまだ届かず
大穴:荘司康誠(楽天)
〇ゲームメイク力は確か
×白星がなかなか伸びず
大穴:茶野篤政
〇走攻守で広く貢献
×序盤の好調を維持できず
開幕投手を務めてから打者を圧倒する山下で、ほぼ決まった感はある。防御率1.70はチームメイトの山本由伸と比較しても大差なく、勝率.750や奪三振率9.70では上回り、最多勝などタイトル獲得の可能性すら残す。初のフルシーズンでスタミナが懸念な上、チームとしても無理な起用は避けそうだが、今の時点でライバルになれそうな存在はいない。
ドライチルーキーの荘司は13先発して防御率3.25と安定しているが、1勝3敗。5月28日の日本ハム戦では9回2失点、7月26日の同じく日本ハム戦でも8回2失点でいずれも勝ち星つかずと、運に見放されている。育成ドラフト4位でプロ入りした茶野は開幕スタメン出場と序盤から活躍。主に1番打者を任され、走塁と守備でも貢献しているが、肝心の打撃が徐々にトーンダウンしているのはマイナス要素か。
新人最多の40試合に登板している内星龍(楽天)や大津亮介(ソフトバンク)もホールドを稼いでいて、いくつか票は投じられそうだ。昨季にブレイクを果たした宇多川優希(オリックス)も資格を残し、被打率.151は30投球回以上の投手でベストの数値だが、前年ほどの勢いはない。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
本命:村上頌樹(阪神)
〇資格者では頭抜けた成績
×6月以降は勝ち星伸びず
対抗:秋広優人(巨人)
〇スケールの大きな打撃でアピール
×走塁と守備は課題
大穴:横川凱(巨人)
〇先発として及第点の成績
×稼働量不足
MVPや沢村賞は難しくても、村上の新人王獲得は濃厚だ。開幕前は先発ローテーションにも入っていなかったが、安定した投球で防御率のタイトル争いを繰り広げ、チームの快進撃にも大きく貢献している。あえてマイナス材料を探せば、6月からは2勝4敗の勝ち運のなさぐらいで、あと3勝を上積んで白星が2ケタに到達すれば当確だろう。
インパクトだけなら、秋広も負けてはいない。7月に4試合連続本塁打を放ち、20歳にして2ケタ本塁打へ到達し、打率でもリーグ10傑入りをうかがう。年齢を考えれば驚異的な打棒だが、高卒3年目で村上より5歳若い点を加味しても、成績の差を覆すには至らない。
秋広のチームメイトである横川も一軍定着1年目で先発ローテーションに食い込み、防御率3.26と及第点だが、5イニング以内での降板が多く、積み上げが十分ではない。2人の活躍はチームの将来に向けての光明ではあるが、新人王レース参戦についてはタイミングが悪かった。 ■新人王(パ・リーグ)
本命:山下舜平大(オリックス)
〇一軍1年目から能力を発揮
×規定投球回にはまだ届かず
大穴:荘司康誠(楽天)
〇ゲームメイク力は確か
×白星がなかなか伸びず
大穴:茶野篤政
〇走攻守で広く貢献
×序盤の好調を維持できず
開幕投手を務めてから打者を圧倒する山下で、ほぼ決まった感はある。防御率1.70はチームメイトの山本由伸と比較しても大差なく、勝率.750や奪三振率9.70では上回り、最多勝などタイトル獲得の可能性すら残す。初のフルシーズンでスタミナが懸念な上、チームとしても無理な起用は避けそうだが、今の時点でライバルになれそうな存在はいない。
ドライチルーキーの荘司は13先発して防御率3.25と安定しているが、1勝3敗。5月28日の日本ハム戦では9回2失点、7月26日の同じく日本ハム戦でも8回2失点でいずれも勝ち星つかずと、運に見放されている。育成ドラフト4位でプロ入りした茶野は開幕スタメン出場と序盤から活躍。主に1番打者を任され、走塁と守備でも貢献しているが、肝心の打撃が徐々にトーンダウンしているのはマイナス要素か。
新人最多の40試合に登板している内星龍(楽天)や大津亮介(ソフトバンク)もホールドを稼いでいて、いくつか票は投じられそうだ。昨季にブレイクを果たした宇多川優希(オリックス)も資格を残し、被打率.151は30投球回以上の投手でベストの数値だが、前年ほどの勢いはない。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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