ショッキングなニュースが世界を駆け巡った。大谷翔平の「右肘靭帯損傷」に米メディアもファンも衝撃を受け、さまざまな議論が百出している。
【動画】大谷翔平がデラクルーズの"指つんつん"に笑顔で応えたシーン
そんななか、米ネットワーク『ESPN』の名物記者であるジェフ・パッサン氏が熱量たっぷりのコラムを公開した。「オオタニの魔法のようなシーズンは怪我で途切れた」と題し、二刀流スターヘの溢れんばかりの想いを綴っている。
パッサン記者は「ショウヘイ・オオタニが野球のフィールドで過ごしたこの3年間は、1分1秒が贈り物だった」と記し、「もっとも完璧なこの球技の標本だ。100年もの間、選手にどちらかの道を選ぶことを要求してきたこのスポーツにおいて、最高の打者であり最高の投手でもあるオオタニは野球のあり方を再調整した。ショウヘイは野球の頂点を極めた。彼は野球そのものなんだ」と続けた。
そのうえで、「オオタニにとって最強の敵は、どんな投手でも打者でもなかった。それは彼の身体であり、彼が求めるものすべてに耐えうるその能力であった。靭帯は伝説など気にしてくれない」と嘆き、「この3年間で、彼は数少ないプレーヤーだけが許される高みへと到達した。100年後の彼は、功績と名声においてベーブ・ルースに匹敵する。そしてその才能において、ルースはオオタニにまるで及ばない」とあらためて称えた。
今回の怪我によって大谷の価値が下がることはないと断言しつつ、今後のキャリアや復帰プランをポジティブに捉えるパッサン記者。コラムで強調したのが、日本が誇るスーパースターの"圧倒的な人間力"である。
現地8月23日、ロサンゼルス・エンジェルス対シンシナティ・レッズのダブルヘッダー2戦目で、大谷は二塁打を放った。当然その時点で大谷は右肘の診断結果を知っていたわけだが、塁上に立つ大谷の元に近寄って来たレッズの選手たちと、楽しげに談笑する姿があった。とりわけ、飛ぶ鳥を落とす勢いでハイパフォーマンスを連発している21歳の超新星、エリー・デラクルーズとの絡みが話題を呼んだ。
パッサン記者は次のようにあの場面を切り取った。
「若きデラクルーズにとって、オオタニはまさに別格なのだ。自己紹介を兼ねて、右手のひとさし指を伸ばしてオオタニの腕を5回小突いた。『あなたはホンモノ?』と確かめるかのように、だ。オオタニを見てきた誰もが抱いていた疑問だろう。
ショウヘイ・オオタニがどんな人物で、どんな素質を持っているのかを真に知りたければ、デラクルーズに対するその後の反応を見ればいい。彼は避けたり、睨みつけたり、冷たくあしらうことさえしなかった。自身が直面している現実を考えれば、どんなことをしてもいい権利を持っていたはずなのにだ。その代わりにオオタニは優しく微笑みかけ、デラクルーズの才能に驚嘆していると賛辞を返したのである。日本から来た少年と、ドミニカ共和国から来た少年が、野球という共通の言語で会話を交わしていた」
最後にパッサン記者は「楽観主義はオオタニの選択だ。前回、彼がこの岐路に立たされたとき、見事に復活を遂げて、誰も見たことがないような偉大な野球選手へと進化を果たした。彼を疑うのは危険だ」と論じ、コラムを締めくくっている。
構成●THE DIGEST編集部
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そんななか、米ネットワーク『ESPN』の名物記者であるジェフ・パッサン氏が熱量たっぷりのコラムを公開した。「オオタニの魔法のようなシーズンは怪我で途切れた」と題し、二刀流スターヘの溢れんばかりの想いを綴っている。
パッサン記者は「ショウヘイ・オオタニが野球のフィールドで過ごしたこの3年間は、1分1秒が贈り物だった」と記し、「もっとも完璧なこの球技の標本だ。100年もの間、選手にどちらかの道を選ぶことを要求してきたこのスポーツにおいて、最高の打者であり最高の投手でもあるオオタニは野球のあり方を再調整した。ショウヘイは野球の頂点を極めた。彼は野球そのものなんだ」と続けた。
そのうえで、「オオタニにとって最強の敵は、どんな投手でも打者でもなかった。それは彼の身体であり、彼が求めるものすべてに耐えうるその能力であった。靭帯は伝説など気にしてくれない」と嘆き、「この3年間で、彼は数少ないプレーヤーだけが許される高みへと到達した。100年後の彼は、功績と名声においてベーブ・ルースに匹敵する。そしてその才能において、ルースはオオタニにまるで及ばない」とあらためて称えた。
今回の怪我によって大谷の価値が下がることはないと断言しつつ、今後のキャリアや復帰プランをポジティブに捉えるパッサン記者。コラムで強調したのが、日本が誇るスーパースターの"圧倒的な人間力"である。
現地8月23日、ロサンゼルス・エンジェルス対シンシナティ・レッズのダブルヘッダー2戦目で、大谷は二塁打を放った。当然その時点で大谷は右肘の診断結果を知っていたわけだが、塁上に立つ大谷の元に近寄って来たレッズの選手たちと、楽しげに談笑する姿があった。とりわけ、飛ぶ鳥を落とす勢いでハイパフォーマンスを連発している21歳の超新星、エリー・デラクルーズとの絡みが話題を呼んだ。
パッサン記者は次のようにあの場面を切り取った。
「若きデラクルーズにとって、オオタニはまさに別格なのだ。自己紹介を兼ねて、右手のひとさし指を伸ばしてオオタニの腕を5回小突いた。『あなたはホンモノ?』と確かめるかのように、だ。オオタニを見てきた誰もが抱いていた疑問だろう。
ショウヘイ・オオタニがどんな人物で、どんな素質を持っているのかを真に知りたければ、デラクルーズに対するその後の反応を見ればいい。彼は避けたり、睨みつけたり、冷たくあしらうことさえしなかった。自身が直面している現実を考えれば、どんなことをしてもいい権利を持っていたはずなのにだ。その代わりにオオタニは優しく微笑みかけ、デラクルーズの才能に驚嘆していると賛辞を返したのである。日本から来た少年と、ドミニカ共和国から来た少年が、野球という共通の言語で会話を交わしていた」
最後にパッサン記者は「楽観主義はオオタニの選択だ。前回、彼がこの岐路に立たされたとき、見事に復活を遂げて、誰も見たことがないような偉大な野球選手へと進化を果たした。彼を疑うのは危険だ」と論じ、コラムを締めくくっている。
構成●THE DIGEST編集部
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