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プロ野球

【ドラフトで西武が狙うべき選手】「まずは即戦力投手の武内、外れ1位で強打者を狙う」のが基本戦略。手薄な捕手や左のリリーフも補強ポイント<SLUGGER>

出野哲也

2023.10.25

完成度の高さを買って武内の指名を公表。複数球団が狙っていると言われるが、果たして当たりクジは引き当てられるか。 写真:THE DIGEST写真部

完成度の高さを買って武内の指名を公表。複数球団が狙っていると言われるが、果たして当たりクジは引き当てられるか。 写真:THE DIGEST写真部

 今季も435得点はリーグ最少と、貧打に苦しんだライオンズ。2018~19年のリーグ連覇の原動力にもなった“山賊打線”復活に向け、当初は佐々木麟太郎(花巻東高)の指名が有力視されていた。中村剛也、山川穂高ら“ぽっちゃり系スラッガー”の系譜を継ぐ意味でも理想の人材ではあったが、佐々木は米国の大学への留学を志してプロ志望届を提出しなかった。

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 ドラフト2日前になって、豊作な大学生投手の中から武内夏暉(国学院大)の指名を公表。左の先発の層を厚くしたいという目標を明確にした。ただ、福岡出身の武内のことは、ソフトバンクも狙っているとも言われている。首尾よく当たりクジを引ければいいが、もし外れた場合は打者の補強にシフトすることを提言したい。

 その場合、廣瀬隆太(慶応大)、上田希由翔(明治大)ら強打の大学生三塁手を狙いたい。もしくは、時間はかかるかもしれないが、高校生の大砲候補である真鍋慧(広陵高)、明瀬諒介(鹿児島城西高)、佐倉侠史朗(九州国際大付高)らも候補になる。
 
 また、捕手も補強ポイントだ。森友哉が昨オフにオリックスへFA移籍して抜けた穴は、今季は古賀悠斗と柘植世那が埋めていたが、即戦力を獲得してさらに競争させるなら進藤勇也(上武大)、将来性を考えて高校生を指名するなら堀柊那(報徳学園高)が候補になる。

 ただし、1位で細野を引き当て、2位で野手を指名した場合は、西武の3位(全体では33巡目)までに2人とも残っていない確率が高いと思われる。となると、打てる捕手として評価を上げている城野達哉(西濃運輸)が候補に浮上する。潮崎哲也編成ディレクターも「アマチュアの捕手ではトップクラス」と評価しているほど。古賀と柘植はともに打力が弱いとあって、3位指名でも高すぎはしないかもしれない。

 もしくは同じ順位で、現状で佐藤隼輔しかいない左のリリーフ投手を補強するのもありだろう。その場合は、高い奪三振能力をを誇る三浦克也(東京国際大)あたりが候補になるか。

【基本方針】
野手中心

【補強ポイント】
・強打の三塁手
・即戦力型の捕手
・奪三振能力の高いリリーフ左腕

【理想の指名】
1位:武内夏暉(国学院大)
2位:廣瀬隆太(慶応大)
3位:城野達哉(西濃運輸)

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。

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