プロ野球

「追い込まれてからも余裕を持って入れる」CSでも存在感を発揮したオリックス紅林弘太郎が日本シリーズでもキーマンになる

THE DIGEST編集部

2023.10.25

期待されながらもこれまでなかなか開花できなかった紅林だが、CSでの活躍を経ていよいよ開花するか……? 写真:野口航志

 ロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを制して、3年連続の日本シリーズ進出を決めたオリックス。シリーズMVP杉本裕太郎とともに、パーソル賞として100万円を獲得したのが紅林弘太郎だ。紅林は21日の第4戦前に左手首を痛めたようでベンチから外れたが、試合後のセレモニーにはサポーターをつけながらも笑顔で参加した。

 18日の初戦は、先発したエース山本由伸が初回に3失点を許すというまさかの乱調。超満員のスタンドが重い雰囲気に包まれる中、4回2死一、二塁の場面から右中間を破る2点タイムリー二塁打を放ったのが紅林だった。オリックスは続く宗佑磨の適時打で同点に追いつく。6回に再び勝ち越されるもその裏、杉本裕太郎のタイムリーで同点に追いつくと、無死一、三塁の場面で再び紅林が適時打を放ち逆転。打線はその後も得点を重ね、8対5で猛追するロッテを振り切り、第1戦に勝利した。

 逆転勝ちに大きく貢献した紅林は「珍しく……由伸さんがああいう感じだったので(場内爆笑)。いつも助けてもらってる分、僕ら野手が助けてあげなきゃいけないなと思って打席に立った」と語った。マウンド上の山本には「切り替えていけよ」と上から目線で話しかけたことを笑みを交えながら話すと、そんな紅林のキャラに対してスタンドからは拍手と笑い声が起こっていた。

 4回の二塁打はスライダーを打ったが「スライダーが打てないと思われてるので、そこを粘って打てたので良かった。いつ真っ直ぐを入れられると思ったんですけどね」と振り返り、6回の3打席目は「後もいいバッター続くので、 後につなげるっていう気持ちで、なんとか最低外野フライぐらいの気持ちでいきました」と振り返った。
 
 この日は右方向にいい打球が飛んだが「そうですね。引っかけてゴロとかになるとやっぱ良くないので、逆方向にライナーが飛んでいる時はいい感じかなと思います」と分析。2ストライク後の打率が高いことに関しては「追い込まれるまでが僕は課題なんですけど」言いつつ「追い込んだらポイントが呼び込めるので」と説明。「粘って後につなげようぐらいの気持ちでいってるので、追い込まれてからも余裕を持って入れたかなと思います」と話した。

「甘い球を捉えきれないのは悔しい」と言う紅林だが、この日は打席での「切り替え」が好結果を生んだ。手首の回復は気になるところだが、今季は.275、8本塁打と打撃で大きく飛躍。阪神との日本シリーズでは、この男が野手陣のキーマンになるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部