クライマックスシリーズ（ＣＳ）ファイナルステージで、アドバンテージ含め４勝１敗でロッテを下し、日本シリーズを決めたオリックスだが、一つの“誤算”があった。

　18日に行われた初戦で、今季ロッテ相手にノーヒットノーランを達成している絶対的エースの山本由伸が初回に３点を失うなど、今季ワーストの５失点を献上したのだ。

　試合は６回に味方打線が爆発して８対５で逆転勝ちを収め、山本には白星もついたが、「立ち上がりから失点を重ねてしまっていた中で、何とかゲームを作り直していこうと必死に投げていたのですが、最後まで修正することができませんでした。このような投球になってしまった中で、野手の皆さんが逆転してくれたことに感謝しかありません」と降板後、ベンチでは珍しく苦笑いを浮かべていた。

　中嶋聡監督も「いつもの由伸ではないですし、修正能力の高い選手なんですけど、まあなかなか。きょうは戻って来なかったのかなと思います」と、本来の山本の投球ではなかったと振り返った。
  　山本いわく「もともと身体の調子も良かった」とのことだが、ピッチング自体は「ずっとなかなかうまくいかなかった。立ち上がりから失点してしまって。初回だったんで何とか立て直そうと投げました。やっぱり、全然いいボールがいってなかったですし、ボール球もすごく多かった。いろいろ苦労しながらの投球になりました」。
　試合に勝てたことについては「すごくいい雰囲気の中で試合ができましたし、それがチームの結果につながったかなと思います。野手の皆さんとリリーフのおかげで、何とか勝てたので感謝しています」とホッとした様子。

　日本シリーズ決定後、中嶋監督は「普段打たれない人が打たれた」としながらも「本当に野球ですので、絶対ゼロ（無失点）という選手はいません」とエースを庇っていた。

　次の登板は日本シリーズ初戦が濃厚。2021～22年は投手五冠を達成し、今季はパ・リーグ歴代２位の防御率1.21を記録した球界最強投手が、阪神を相手にどんな投球を見せるか。舞台は前回と同じ京セラドーム。来季からのメジャーリーグ移籍が噂される中、ホームのファンに本来の雄姿を披露したい。

構成●THE DIGEST編集部