プロ野球

“関西ダービー”へ臨むオリックス。ファンの熱気で上回る阪神に対し、中嶋監督は「皆さんの応援をもっともっとほしい」

THE DIGEST編集部

2023.10.26

日本シリーズは昨年に続き2度目だが、今度は関西の人気球団である阪神。果たして中嶋監督の采配は? 写真:野口航志

 クライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージでロッテを4勝1敗で下したオリックス。いよいよ28日から、阪神との頂上決戦で2年連続の日本一を目指す。

 ファーストステージで激闘的なサヨナラ劇を繰り広げて大阪に乗り込んできたロッテの勢いは凄まじかった。初戦は勝利を収めたものの、エース山本由伸が今季ワーストの5失点。第2戦ではシーソーゲームの末、試合を落としてしまった。第3戦で先発の東晃平が好投。8回に故障から復活した頓宮裕真の適時打などで優勝に王手をかけると、第4戦では先発の宮城大弥の好投に加え、打線が初回に森友哉の2ラン、6回に杉本裕太郎が適時打を放ち3点を援護。終盤1点差まで迫られたが、平野佳寿が逃げきった。

 中嶋聡監督はCSの激闘を振り返り、「本当にしんどいゲームばっかりでホッとしています。初回にしっかり(森が)ホームラン打ってくれて、 勇気が出るホームランでした。本当にロッテのピッチャーみんな良くて、なかなか点数入らない状況になったんですけれども、 それをピッチャー陣がよく頑張ってくれましたし、(8回と9回に)ホームランも打たれましたけど、それでも最小失点で言ってくれたのが勝ちにつながったと思っています」と語る。

 レギュラーシーズンでは、2位のロッテと15.5ゲーム差も離しての優勝だった。だが、それゆえに「勝って当たり前」という雰囲気とも戦わなければならなかった。

 中嶋監督は「やっぱり1位通過と言いますか、それのプレッシャーもありますし、ゲーム差もあっての1位でしたので、当然抜けるもんだと周りから見られてると思ってましたので、その点では、やっぱりホッとしたっていうのが一番ですね」と語った上で、「それをしっかり勝ち抜いて。日本シリーズの場にね、連れてってくれた。連れてきてくれた選手に本当に感謝したいと思います」とプレッシャーを跳ね除けた選手たちを労った。
 このCSではあふれんばかりのオリックスファンが京セラに集結していたが、日本シリーズの相手は同じ関西圏に本拠を置き、しかも人気度では上回る阪神。中嶋監督は「まずは熱いゲーム、絶対やりたいと思いますし。皆さん待ち望んでたと思います。関西シリーズを本当に熱く盛り上げたいと思います。タイガースの応援、本当にすごいと思いますけれども、絶対に負けてないと思いますので、皆さんの応援がもっともっと必要になります」とオリックスファンに呼び掛ける。

 X(旧Twitter)では「関西ダービー」「阪神なんば線沿線対決」などがトレンド入り。両球団掛け持ちのファンもいる一方で、オリックスファンが阪神ファンに対する思いは、関西では凄まじいものがある。阪神は京セラドームも準本拠地として使用しているだけに、環境面ではオリックスが若干不利かもしれないが、移動がないというのは楽かもしれない。それについて中嶋監督は「電車で通おうかな」と笑って会見を終えた。

 59年ぶりに関西だけで行われるプロ野球頂上決戦。阪神の岡田彰布監督はかつてオリックスで指揮を執った経験もある。お互いに意地とブライドをぶつけ合うシリーズとなるに違いない。

構成●THE DIGEST編集部