MVPとは「最高殊勲選手」=優勝したチームで最も貢献度の高かった選手なのか。それとも「最優秀選手」=優勝に関係なくリーグで最も優れた選手に贈られるべきものか。かつては前者だった正式名称は、今では後者になっている。MLBで優勝争いと無縁だったエンジェルスの大谷翔平が受賞したように、日本でもMVPは優勝チームから選ぶ必要があるわけではない。
【PHOTO】38年ぶりの日本一!! 岡田監督のもと「A.R.E.」を目指したシーズンはここから始まった!
とはいえ、プロ野球チームの最終的な目標が優勝である以上、それに貢献した選手の働きは重要視されるべきであり、事実そうした考えに基づいて歴代のMVPは選出されてきた。優勝争いに無関係だった場合は、よほど突出した成績でなければ、誰もが納得できるMVPとは認めづらい。
今年のセ・リーグで「最も優れた成績を残した野手」として、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは岡本和真(巨人)だろう。41本塁打は2位の村上宗隆(ヤクルト)に10本差をつけて1位、OPS.958も1位だった。しかし巨人は優勝争いに加われず4位どまり。それは岡本の責任ではまったくないが、圧倒的な強さでセ・リーグを制したタイガースの選手たちを抑えてまで、MVPに推すほどでもない。首位打者の宮﨑敏郎、打点王の牧秀悟のDeNA勢も同様だ。
ただ、阪神のMVP候補もみな一長一短があって絞りづらいのも確か。そこで、まず有力候補と目される選手のプラス材料とマイナスの材料を整理しておこう。 ▼中野拓夢
<プラス面>二塁コンバート1年目でありながらフルイニング出場を果たし、ゴールデン・グラブ賞も受賞。守備面の負担の大きなポジションを守りつつ、リーグ最多の164安打、同2位の20盗塁も決めた。
<マイナス面>長打力に欠けるたOPSは.700にも満たない。また20盗塁に対して失敗がリーグワーストの12回もあって、成功率は低かった。
▼佐藤輝明
<プラス面>92打点はチームトップにしてリーグでも3位。24本塁打と合わせてチーム二冠、長打率.498も同様だった。
<マイナス面>最終的な数字は良かったものの、これは8月以降に.330、12本塁打、45打点と打ちまくった結果でもある。6~7月は打率1割台と苦戦し、一時は二軍落ち。三塁守備も20失策と安定感を欠いた。
▼大山悠輔
<プラス面>全試合で4番打者を任されたように、打線の中軸としての信頼度は抜群。リーグ最多の99四球を選んで出塁率.403は1位、OPS.859も佐藤をしのぎチームトップ&リーグ6位。月間OPSは最も低い4月でも.799と、調子の波もなかった。
<マイナス面>ポジションは守備面の負担が少ない一塁。そこで9失策していたのは、あまり印象が良くない。
▼近本光司
<プラス面>得点圏打率はリーグトップの.374。三塁打も同じくリーグ最多の12本、さらに盗塁も28個で1位、失敗は3回だけと機動力で大いに貢献した。センターの守備でも、286回の守備機会で一度もエラーを犯さなかった。
<マイナス面>OPS.809は大山や佐藤より下。また佐藤と同じく、6~7月は打率.204と中だるみの時期があった。打率.286、8本塁打、54打点という見た目の数字も"MVPらしいもの"ではない。
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とはいえ、プロ野球チームの最終的な目標が優勝である以上、それに貢献した選手の働きは重要視されるべきであり、事実そうした考えに基づいて歴代のMVPは選出されてきた。優勝争いに無関係だった場合は、よほど突出した成績でなければ、誰もが納得できるMVPとは認めづらい。
今年のセ・リーグで「最も優れた成績を残した野手」として、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは岡本和真(巨人)だろう。41本塁打は2位の村上宗隆(ヤクルト)に10本差をつけて1位、OPS.958も1位だった。しかし巨人は優勝争いに加われず4位どまり。それは岡本の責任ではまったくないが、圧倒的な強さでセ・リーグを制したタイガースの選手たちを抑えてまで、MVPに推すほどでもない。首位打者の宮﨑敏郎、打点王の牧秀悟のDeNA勢も同様だ。
ただ、阪神のMVP候補もみな一長一短があって絞りづらいのも確か。そこで、まず有力候補と目される選手のプラス材料とマイナスの材料を整理しておこう。 ▼中野拓夢
<プラス面>二塁コンバート1年目でありながらフルイニング出場を果たし、ゴールデン・グラブ賞も受賞。守備面の負担の大きなポジションを守りつつ、リーグ最多の164安打、同2位の20盗塁も決めた。
<マイナス面>長打力に欠けるたOPSは.700にも満たない。また20盗塁に対して失敗がリーグワーストの12回もあって、成功率は低かった。
▼佐藤輝明
<プラス面>92打点はチームトップにしてリーグでも3位。24本塁打と合わせてチーム二冠、長打率.498も同様だった。
<マイナス面>最終的な数字は良かったものの、これは8月以降に.330、12本塁打、45打点と打ちまくった結果でもある。6~7月は打率1割台と苦戦し、一時は二軍落ち。三塁守備も20失策と安定感を欠いた。
▼大山悠輔
<プラス面>全試合で4番打者を任されたように、打線の中軸としての信頼度は抜群。リーグ最多の99四球を選んで出塁率.403は1位、OPS.859も佐藤をしのぎチームトップ&リーグ6位。月間OPSは最も低い4月でも.799と、調子の波もなかった。
<マイナス面>ポジションは守備面の負担が少ない一塁。そこで9失策していたのは、あまり印象が良くない。
▼近本光司
<プラス面>得点圏打率はリーグトップの.374。三塁打も同じくリーグ最多の12本、さらに盗塁も28個で1位、失敗は3回だけと機動力で大いに貢献した。センターの守備でも、286回の守備機会で一度もエラーを犯さなかった。
<マイナス面>OPS.809は大山や佐藤より下。また佐藤と同じく、6~7月は打率.204と中だるみの時期があった。打率.286、8本塁打、54打点という見た目の数字も"MVPらしいもの"ではない。
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