プロ野球

【西武】楽天戦力外の炭谷銀仁朗が6年ぶりの帰還。「143試合全部出る」と意気込む36歳捕手に渡辺久信GMが期待するプラス効果とは?

岩国誠

2023.12.09

入団会見に臨んだ炭谷(右)と渡辺GM(左)。写真:岩国誠

 楽天を戦力外になっていた炭谷銀仁朗が7日、古巣・西武との契約に合意。同日、球団事務所で入団会見が行われた。

「6年ぶりに埼玉西武ライオンズに(戻り)、来季よりプレーすることになりました炭谷銀仁朗です。僕が在籍した時とは違って、若い選手も増えて、いろんなことが違ってきているとは思うんですけれども、他球団で経験したこと(を生かして)、ライオンズのプラスになるために精一杯頑張りたいと思います。戦力外になった時に渡辺(久信)GMから声をかけていただいて、本当にうれしかったですし、来季からまた初心に帰って頑張ろうという思いです」
 
 提示された背番号は「27」。2011年から8年間、正捕手として自身が背負っていた番号だ。

「背番号は僕から希望は出していなかったんですが、『何番やろうなぁ』と思いながら待っていて、『27』って言われた時には『よっしゃ!やった!』って感じで、本当に嬉しかったです。こだわりは強いというか、(背番号27に)強い気持ちはありますね」

 今季の西武は、正捕手を勤めていた森友哉のFA移籍に伴い、2年目の古賀悠斗、4年目の柘植世那、そして育成から支配下登録を勝ち取った2年目の古市尊など、若い捕手陣を一軍で使いながら育てていかなければならない状況だった。

 そんな明日を担う若手たちの良き手本となるベテラン捕手――。それも大きな役割であることは、炭谷自身も十分承知している。それでも炭谷が掲げた目標は"全試合出場"だった。

「可能性が低いのは百も承知ですけども、自分の中では143試合全部自分が出るんだという気持ちです。それは(選手として)持たないといけないものだと思います。もう来季は37歳になりベテランですけれども、(渡辺久信)GMからは、戦力としてというお話をいただきましたし、僕はあくまでコーチではなく一選手なので、教えてあげるというよりもお互いに成長できればという認識でいます」

 自分はあくまでも一選手として、古巣へ帰ってきた。プロ18年で通算1541試合に出場した捕手としてのプライドを感じさせる言葉だった。ただ、その後でこうも語っている。

「古賀と柘植を筆頭に、(西武には)まだまだ若いキャッチャーもいると思うので、僕はもう36歳ですけど、僕もやっぱり(彼らから)吸収できる、いろいろ話を聞けるチャンスだと思っているので、お互いに切磋琢磨というか、レベルアップしていけたらなと思います」

 自ら積み上げてきたものにプライドを持ちながらも、より良い結果を求めて若い選手からも貪欲に学び、共に成長しようという姿勢はチーム捕手陣に新たな風を吹き込みそうだ。
 
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