そんな炭谷を戦力外直後、すぐに獲得へ動いたのが渡辺GM。その狙いをこう話した。
「本人も言っていますがコーチじゃないので、まずはそこ(選手)で勝負してもらうということです。当然、うちのキャッチャー陣は若いし、経験も少ない。来季は岡田(雅利)も復帰してくれると思いますが、やはり経験があるキャッチャーがいた方が、チームにとっても安心感があると思います。銀仁朗の性格とかはわかっているので、チームにとってはすごくプラスになる人材だというところで、オファーを出しました」
さらにこう続ける。
「やっぱり、他のチームの野球やいろんなシステムを見ることによって、彼はキャッチャーということもあるので、そういう引き出しが増えるっていうのはすごく大きいと思います。トレードとかで他のチームで野球をやるっていうのは、逆にプラスになることが多いっていうのも私自身も経験しているので、そういう意味でいろんなエキスを来季はうちに注入してほしいなと思います」
西武以外の野球を見てきた5年間。炭谷が技術的にも考え方の部分でも新たな発見を得たのが、2019年にFA移籍をした巨人での2年半だった。
「何がどうとかはちょっと言えないですけども、野球の部分でそれを感じたのはやっぱり(巨人の)坂本勇人の存在ですね。あとは阿部慎之助(現一軍監督)さん。人間的な部分で言えば、亀井(善行・現一軍外野守備兼走塁コーチ)さんにもお世話になりました。やっぱその3人っていうのは、僕がジャイアンツへ行ったときに、本当に新しい発見をいっぱいくれた3人なので、僕がキャッチャーとして阿部さんにそうやって感じさせられたように、古賀や柘植がいろんなものを僕から感じてくれたらいいなとは思いますけどね」
この日はサプライズとして、炭谷もよく知るチームの大先輩・中村剛也と栗山巧からビデオメッセージが届けられたが、炭谷自身も話していたように、今のライオンズには若い選手の方が圧倒的に多い。特に実際にボールを受けたことのある投手となると、若かった時の高橋光成や今井達也など数えるほどだ。
受けたことのない若い投手陣のボールを受けてみたいと話していた炭谷だが、同世代でチームを支えてきた守護神・増田達至のことも気になっているという。
「(今までは)敵チームだったので話せなかったですが、マス(増田)がね。ちょっとここ数年、良い成績が出ていないかなと思うので。僕が楽天で見ていたマスもいるし、マスが自分で感じているものもあるだろうし、(コミュニケーションをとりながら)ちょっと頑張らせてあげたいなと思います。」
かつての正捕手・炭谷銀仁朗の6年ぶりの帰還が、新たなチームづくりを進めるライオンズにどんな化学変化を起こしていくのか。渡辺GMが見越しているプラス効果が、若手捕手陣だけでなく、様々なところに波及していくことを大いに期待したい。
取材・文●岩国誠
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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「本人も言っていますがコーチじゃないので、まずはそこ(選手)で勝負してもらうということです。当然、うちのキャッチャー陣は若いし、経験も少ない。来季は岡田(雅利)も復帰してくれると思いますが、やはり経験があるキャッチャーがいた方が、チームにとっても安心感があると思います。銀仁朗の性格とかはわかっているので、チームにとってはすごくプラスになる人材だというところで、オファーを出しました」
さらにこう続ける。
「やっぱり、他のチームの野球やいろんなシステムを見ることによって、彼はキャッチャーということもあるので、そういう引き出しが増えるっていうのはすごく大きいと思います。トレードとかで他のチームで野球をやるっていうのは、逆にプラスになることが多いっていうのも私自身も経験しているので、そういう意味でいろんなエキスを来季はうちに注入してほしいなと思います」
西武以外の野球を見てきた5年間。炭谷が技術的にも考え方の部分でも新たな発見を得たのが、2019年にFA移籍をした巨人での2年半だった。
「何がどうとかはちょっと言えないですけども、野球の部分でそれを感じたのはやっぱり(巨人の)坂本勇人の存在ですね。あとは阿部慎之助(現一軍監督)さん。人間的な部分で言えば、亀井(善行・現一軍外野守備兼走塁コーチ)さんにもお世話になりました。やっぱその3人っていうのは、僕がジャイアンツへ行ったときに、本当に新しい発見をいっぱいくれた3人なので、僕がキャッチャーとして阿部さんにそうやって感じさせられたように、古賀や柘植がいろんなものを僕から感じてくれたらいいなとは思いますけどね」
この日はサプライズとして、炭谷もよく知るチームの大先輩・中村剛也と栗山巧からビデオメッセージが届けられたが、炭谷自身も話していたように、今のライオンズには若い選手の方が圧倒的に多い。特に実際にボールを受けたことのある投手となると、若かった時の高橋光成や今井達也など数えるほどだ。
受けたことのない若い投手陣のボールを受けてみたいと話していた炭谷だが、同世代でチームを支えてきた守護神・増田達至のことも気になっているという。
「(今までは)敵チームだったので話せなかったですが、マス(増田)がね。ちょっとここ数年、良い成績が出ていないかなと思うので。僕が楽天で見ていたマスもいるし、マスが自分で感じているものもあるだろうし、(コミュニケーションをとりながら)ちょっと頑張らせてあげたいなと思います。」
かつての正捕手・炭谷銀仁朗の6年ぶりの帰還が、新たなチームづくりを進めるライオンズにどんな化学変化を起こしていくのか。渡辺GMが見越しているプラス効果が、若手捕手陣だけでなく、様々なところに波及していくことを大いに期待したい。
取材・文●岩国誠
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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