大谷翔平が名門ドジャースへの移籍を決断した。新たな主戦場となるドジャー・スタジアムで、これまで投手としては未登板ながら、打者としては通算15試合で打率.357、1本塁打、OPS1.136。試合数は決して多くないが、その中でも印象的なシーンをいくつか残している。
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■初見参初打席で記念すべきヒット(2018年7月13日)
初めてドジャー・スタジアムで公式戦初出場を果たしたのはメジャー1年目の7月13日。エンジェルスが2対3で1点を追う9回裏、一死走者なしから代打で登場した大谷は、相手左腕スコット・アレクザンダーにカウント2-2と追い込まれながらも、6球目の真ん中に入った速球を逆方向へ弾き返した。左中間の間に跳ねた打球がワンバウンドでフェンスを直撃し、外野手からボールが返球される間に悠々と二塁へ。当時はナ・リーグ主催試合でDHが採用されておらず、この試合はスタメンから外れていたが、記念すべきデビュー打席で見事に結果を残した。
■9回1死kらの三塁打で大記録阻止(2022年6月15日)
前週に球団ワーストの連敗を14で止めてからもエンジェルスの状況は上向かず、前日も敵地でドジャースに敗れて迎えた同一カード2試合目、相手先発は今季チームメイトになったタイラー・アンダーソンだった。開幕から7連勝と絶好調の左腕はこの日、大谷に対して第1打席から見逃し三振、空振り三振、ショートゴロ。だが、ノーヒッターまであと2人に迫られた9回1死で打席に入った大谷は、高めに入ったアンダーソンの123球目を捉えた。ライト線近くへ伸びた打球を追ったムーキー・ベッツがダイビングキャッチを試みるも届かず、大谷は快足を飛ばして三塁へ。試合には敗れたが「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」を開催した対戦相手には皮肉な、そして手痛い一打を浴びせた。 ■夢の舞台で有言実行の一打(2022年7月19日)
「First pitch? Full swing! That's it」と英語で華々しく宣言した通り、初球を振り抜いた。42年ぶりにドジャー・スタジアムで開催されたオールスターで、インタビュー直後に先頭打者として打席へ入ると、地元ドジャースの英雄クレイトン・カーショウが投じた初球の外角球をセンター前へ運んだ。カーショウはそれまで通算8打数無安打で出塁すらできず、今季も3打席の対戦で完璧に封じられた苦手の投手で、唯一放ったヒットがこの球宴での一打だった。現在はFAのカーショウがチームに戻れば、このオールスターに同じく出場していたムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンに大谷が加わり、シーズンMVP受賞経験者4人が同じグラウンドに並び立つ。ちなみに、同様のクインテットが誕生した1959年、ドジャースはワールドチャンピオンに輝いている。
■多くの記録が散りばめられた初アーチ(2023年7月8日)
ドジャー・スタジアム通算15試合目で、初のアーチを描いた。今年の前半戦最後の試合、7回の第4打席で低めへのスライダーを強く叩くと、投じたマイケル・グローブは打球の行方を確認した直後に下を向き、打球速度105.2マイルの打球がセンター方向の観客席へ飛び込む。32号2ランは飛距離433フィート(約132.0メートル)の特大弾だった。29歳になってから初のアーチにしてメジャー22球場目でのホームランで、松井秀喜を抜く日本人最多記録を更新した。ちなみに第1打席にセンター前ヒット、第2打席には右中間への三塁打を放っており、この一発でサイクルへ王手。9回の最終打席は犠牲フライに倒れ、前半戦だけで6度目の"サイクル未遂"となった。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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■9回1死kらの三塁打で大記録阻止(2022年6月15日)
前週に球団ワーストの連敗を14で止めてからもエンジェルスの状況は上向かず、前日も敵地でドジャースに敗れて迎えた同一カード2試合目、相手先発は今季チームメイトになったタイラー・アンダーソンだった。開幕から7連勝と絶好調の左腕はこの日、大谷に対して第1打席から見逃し三振、空振り三振、ショートゴロ。だが、ノーヒッターまであと2人に迫られた9回1死で打席に入った大谷は、高めに入ったアンダーソンの123球目を捉えた。ライト線近くへ伸びた打球を追ったムーキー・ベッツがダイビングキャッチを試みるも届かず、大谷は快足を飛ばして三塁へ。試合には敗れたが「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」を開催した対戦相手には皮肉な、そして手痛い一打を浴びせた。 ■夢の舞台で有言実行の一打(2022年7月19日)
「First pitch? Full swing! That's it」と英語で華々しく宣言した通り、初球を振り抜いた。42年ぶりにドジャー・スタジアムで開催されたオールスターで、インタビュー直後に先頭打者として打席へ入ると、地元ドジャースの英雄クレイトン・カーショウが投じた初球の外角球をセンター前へ運んだ。カーショウはそれまで通算8打数無安打で出塁すらできず、今季も3打席の対戦で完璧に封じられた苦手の投手で、唯一放ったヒットがこの球宴での一打だった。現在はFAのカーショウがチームに戻れば、このオールスターに同じく出場していたムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンに大谷が加わり、シーズンMVP受賞経験者4人が同じグラウンドに並び立つ。ちなみに、同様のクインテットが誕生した1959年、ドジャースはワールドチャンピオンに輝いている。
■多くの記録が散りばめられた初アーチ(2023年7月8日)
ドジャー・スタジアム通算15試合目で、初のアーチを描いた。今年の前半戦最後の試合、7回の第4打席で低めへのスライダーを強く叩くと、投じたマイケル・グローブは打球の行方を確認した直後に下を向き、打球速度105.2マイルの打球がセンター方向の観客席へ飛び込む。32号2ランは飛距離433フィート(約132.0メートル)の特大弾だった。29歳になってから初のアーチにしてメジャー22球場目でのホームランで、松井秀喜を抜く日本人最多記録を更新した。ちなみに第1打席にセンター前ヒット、第2打席には右中間への三塁打を放っており、この一発でサイクルへ王手。9回の最終打席は犠牲フライに倒れ、前半戦だけで6度目の"サイクル未遂"となった。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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