大谷翔平はロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドルで契約した。『The Athletic』によると、年平均7000万ドルの年俸のうち6800万ドルが後払いで、大谷が契約期間中に手にするのは年間わずか200万ドル。残りは契約期間終了後の2034年から10年間にわたって利息なしで支払われるという。
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その前代未聞の契約内容について、『Sports Illustrated』誌のトム・ベルドゥッチ記者が12月11日、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏に行なった独占インタビューの内容を報じた。
バレロ代理人はFAになった大谷から、このように尋ねられたという。「(契約する)チームの競争力を高めるために、年俸のすべてを繰り延べにするのはどうだろう?」。バレロ代理人は労働協約を調べ上げ、繰り延べできる金額の上限がないことを確認。唯一の規定は、選手への最低年俸の保証だけだったという。来季のMLBの最低年俸は74万ドルだ。
そこで大谷自身の選択として、契約したドジャースから毎年200万ドルの年俸を受けることにした。大谷は10年契約の7億ドルのうち、97パーセントにあたる6億8000万ドルを、契約期間終了後の2034年から10年間にわたって利息なしで受け取ることに同意した。
こうした契約は過去に例がないものだった。ドジャースは投手力を向上させようと山本由伸やジョシュ・ヘイダーの獲得を狙っており、ある関係者は「繰り延べ資金を、その費用に使う」と語っている。
この点について、バレロ代理人はこう語った。「何も驚くべきことではない。ショウヘイのやることは何でも前代未聞で、非の打ちどころがないくらい考えられている。チームや街の競争力に貢献したいというアイデアは、純粋に他人を思いやる心遣いからきている。これがショウヘイなんだ。他の誰よりも上に立つのではなく、チームの勝利に貢献する選手としてドジャースに加入した」
24年の大谷の年俸は、ドジャースの控え捕手オースティン・バーンズの350万ドルより低い200万ドル。しかし、大谷はフィールド外で23年に4000万ドルを稼ぎ、24年のそれは5000万ドルとも予想されている。たとえば長期契約を結ぶ『New Balance』社は、大谷の名を冠したシューズとアパレルの新ラインを拡大する予定だという。
大谷が年俸のほとんどを繰り延べするアイデアを思い付いた経緯について、バレロ代理人はこう語る。「スポーツ界のトップ選手でこのような契約をした人はいない。20パーセント、30パーセントの例はいくつかあったが、これほど(97パーセント)の割合の例はなかった。私は彼と7年の付き合いがあるが、もう彼の言動には驚かなくなった。なぜならショウヘイは誰もが歩まない道を、つねに歩むつもりだからだ」
バレロ代理人によると大谷のこのような信念の確立は、日本ハムの当時の監督、栗山英樹氏から「高校を出てすぐにMLBに行くよりも、まずは日本でトップの投手・打者としての地位を確立してから"自分の道を歩む"ように」と説得された2013年にさかのぼる。栗山氏は大谷がMLBでやれる準備ができたと判断した場合、球団として大谷の夢を尊重する約束もした。
そして17年シーズン終了後、23歳の大谷は230万ドルのボーナスとマイナー契約でロサンゼルス・エンジェルスに加入。そして今オフ、6800万ドルを据え置く年俸200万ドルという"自分の道"を歩んでいる。
ドジャース関係者によると、交渉のある時点で大谷は「お金のことを考えるのは馬鹿馬鹿しい」とまで口にしたという。そして私利私欲のない意思を示すため、大谷は繰り延べした金額を補強費に充ててほしいとドジャースに要求。その履行を保証する文言を、契約書に記載するように求めた。どのような文言を契約書に記載したのか明かさなかったバレロ代理人は最後にこう語った。
「ショウヘイのような選手は他にいない。だからこうした契約の前例がないのも当然だ」
構成●THE DIGEST編集部
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その前代未聞の契約内容について、『Sports Illustrated』誌のトム・ベルドゥッチ記者が12月11日、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏に行なった独占インタビューの内容を報じた。
バレロ代理人はFAになった大谷から、このように尋ねられたという。「(契約する)チームの競争力を高めるために、年俸のすべてを繰り延べにするのはどうだろう?」。バレロ代理人は労働協約を調べ上げ、繰り延べできる金額の上限がないことを確認。唯一の規定は、選手への最低年俸の保証だけだったという。来季のMLBの最低年俸は74万ドルだ。
そこで大谷自身の選択として、契約したドジャースから毎年200万ドルの年俸を受けることにした。大谷は10年契約の7億ドルのうち、97パーセントにあたる6億8000万ドルを、契約期間終了後の2034年から10年間にわたって利息なしで受け取ることに同意した。
こうした契約は過去に例がないものだった。ドジャースは投手力を向上させようと山本由伸やジョシュ・ヘイダーの獲得を狙っており、ある関係者は「繰り延べ資金を、その費用に使う」と語っている。
この点について、バレロ代理人はこう語った。「何も驚くべきことではない。ショウヘイのやることは何でも前代未聞で、非の打ちどころがないくらい考えられている。チームや街の競争力に貢献したいというアイデアは、純粋に他人を思いやる心遣いからきている。これがショウヘイなんだ。他の誰よりも上に立つのではなく、チームの勝利に貢献する選手としてドジャースに加入した」
24年の大谷の年俸は、ドジャースの控え捕手オースティン・バーンズの350万ドルより低い200万ドル。しかし、大谷はフィールド外で23年に4000万ドルを稼ぎ、24年のそれは5000万ドルとも予想されている。たとえば長期契約を結ぶ『New Balance』社は、大谷の名を冠したシューズとアパレルの新ラインを拡大する予定だという。
大谷が年俸のほとんどを繰り延べするアイデアを思い付いた経緯について、バレロ代理人はこう語る。「スポーツ界のトップ選手でこのような契約をした人はいない。20パーセント、30パーセントの例はいくつかあったが、これほど(97パーセント)の割合の例はなかった。私は彼と7年の付き合いがあるが、もう彼の言動には驚かなくなった。なぜならショウヘイは誰もが歩まない道を、つねに歩むつもりだからだ」
バレロ代理人によると大谷のこのような信念の確立は、日本ハムの当時の監督、栗山英樹氏から「高校を出てすぐにMLBに行くよりも、まずは日本でトップの投手・打者としての地位を確立してから"自分の道を歩む"ように」と説得された2013年にさかのぼる。栗山氏は大谷がMLBでやれる準備ができたと判断した場合、球団として大谷の夢を尊重する約束もした。
そして17年シーズン終了後、23歳の大谷は230万ドルのボーナスとマイナー契約でロサンゼルス・エンジェルスに加入。そして今オフ、6800万ドルを据え置く年俸200万ドルという"自分の道"を歩んでいる。
ドジャース関係者によると、交渉のある時点で大谷は「お金のことを考えるのは馬鹿馬鹿しい」とまで口にしたという。そして私利私欲のない意思を示すため、大谷は繰り延べした金額を補強費に充ててほしいとドジャースに要求。その履行を保証する文言を、契約書に記載するように求めた。どのような文言を契約書に記載したのか明かさなかったバレロ代理人は最後にこう語った。
「ショウヘイのような選手は他にいない。だからこうした契約の前例がないのも当然だ」
構成●THE DIGEST編集部
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