2023年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、WBCで侍ジャパンが金メダルを獲得した後に源田壮亮が語った本音を紹介する。1次リーグで指を骨折した彼の背中を押したのは西武だったようだ。
記事初掲載:2022年3月26日
――◆――◆――
WBC日本代表のショートとして、3大会ぶりの世界一奪取に貢献した西武の源田壮亮が3月26日に本拠地ベルーナドームに凱旋。練習開始前には、ともに日本代表として戦った山川穂高、幹賢道トレーナーとWBC優勝記念セレモニーに出席し、奥村剛球団社長や松井稼頭央監督、選手、スタッフ、球団職員から祝福を受けた。
【動画】まさに守備職人!源田壮亮がメキシコ戦で魅せた“後ろ向きキャッチ”をチェック
慣れ親しんだ本拠地は、生憎の雨で少し肌寒いことも含めて懐かしい感覚。チームメイトとは約1か月半ぶりの再会だ。
「みんな、おめでとうって言ってくれました。向こうの球場の雰囲気とか、選手はどうだったのかとか、そういう話をしました」
侍ジャパンが世界制覇を成し遂げたWBC。だが、源田にとっては決して楽な大会ではなかった。1次リーグの韓国戦で右手小指を骨折するアクシデントに見舞われた。
「(治療で)ベンチ裏に戻って、走塁用の手袋を外した時に『これはちょっとこのままでは無理だな』と思ったんですけど、走塁は多分いけると思ったので、近くにいた中野選手に『走塁行ってくるから、その間に準備しておいて』と言ってグラウンドに戻りました。一流の選手ですし、あとは任せたっていう感じで行きました」
その後、源田は栗山英樹監督の意向もあって1次リーグ残り2試合を欠場。そのまま離脱かと思われたが、負ければ終わりのイタリア代表との準々決勝にはスタメンで出場。離脱の可能性を報道で知っていたファンの集まった球場をどよめかせた。
「やっぱり、WBCという本当に野球人にとって一番憧れの舞台。ちっちゃい頃から夢見てきましたし、また今回、栗山監督から最初の12人のメンバーにも選んでいただいたので、もうショートを自分が守り切るんだっていう気持ちはすごくありました」
ただ、思いだけでどうにかなる問題ではない。そんな源田の背中を押したのは、他ならぬ西武球団だった。
「球団も『ゲンちゃんの意思を尊重するよ」って言ってくれました。『途中で抜けたら、多分一生後悔するだろう』って。本当に感謝しています」
源田の思いと、それに応えた西武球団の思い。全てをしっかり受け止めたうえで、日本代表の栗山監督は、スタメンに源田の名前を書いたのだろう。そして、3大会ぶりの優勝という最高の結果へとつなげていった。
決勝戦を目前に控え、ロッカールームで大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が「憧れるのはやめましょう」とチームを鼓舞していたが、対戦相手となるメジャーリーガーたちをどう見ていたのか。
「本当に名前くらいしかわからない状態だったので、あまり気にならなかったです。練習も一切見ませんでした」
メジャーの選手たちを知らないことで、特別な意識を持たなかったという源田。さらに、代表合宿中のダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の言葉も戦う上では力になったと振り返る。
「日本の合宿の時から、ダルさんが『絶対このチームはアメリカの選手だったり、メジャーの選手に負けてない。絶対、何も劣っている部分はない』ってずっと言ってくれていたので、そういう部分で、すごくみんな自信を持って、試合に臨めていたと思います」
記事初掲載:2022年3月26日
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WBC日本代表のショートとして、3大会ぶりの世界一奪取に貢献した西武の源田壮亮が3月26日に本拠地ベルーナドームに凱旋。練習開始前には、ともに日本代表として戦った山川穂高、幹賢道トレーナーとWBC優勝記念セレモニーに出席し、奥村剛球団社長や松井稼頭央監督、選手、スタッフ、球団職員から祝福を受けた。
【動画】まさに守備職人!源田壮亮がメキシコ戦で魅せた“後ろ向きキャッチ”をチェック
慣れ親しんだ本拠地は、生憎の雨で少し肌寒いことも含めて懐かしい感覚。チームメイトとは約1か月半ぶりの再会だ。
「みんな、おめでとうって言ってくれました。向こうの球場の雰囲気とか、選手はどうだったのかとか、そういう話をしました」
侍ジャパンが世界制覇を成し遂げたWBC。だが、源田にとっては決して楽な大会ではなかった。1次リーグの韓国戦で右手小指を骨折するアクシデントに見舞われた。
「(治療で)ベンチ裏に戻って、走塁用の手袋を外した時に『これはちょっとこのままでは無理だな』と思ったんですけど、走塁は多分いけると思ったので、近くにいた中野選手に『走塁行ってくるから、その間に準備しておいて』と言ってグラウンドに戻りました。一流の選手ですし、あとは任せたっていう感じで行きました」
その後、源田は栗山英樹監督の意向もあって1次リーグ残り2試合を欠場。そのまま離脱かと思われたが、負ければ終わりのイタリア代表との準々決勝にはスタメンで出場。離脱の可能性を報道で知っていたファンの集まった球場をどよめかせた。
「やっぱり、WBCという本当に野球人にとって一番憧れの舞台。ちっちゃい頃から夢見てきましたし、また今回、栗山監督から最初の12人のメンバーにも選んでいただいたので、もうショートを自分が守り切るんだっていう気持ちはすごくありました」
ただ、思いだけでどうにかなる問題ではない。そんな源田の背中を押したのは、他ならぬ西武球団だった。
「球団も『ゲンちゃんの意思を尊重するよ」って言ってくれました。『途中で抜けたら、多分一生後悔するだろう』って。本当に感謝しています」
源田の思いと、それに応えた西武球団の思い。全てをしっかり受け止めたうえで、日本代表の栗山監督は、スタメンに源田の名前を書いたのだろう。そして、3大会ぶりの優勝という最高の結果へとつなげていった。
決勝戦を目前に控え、ロッカールームで大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が「憧れるのはやめましょう」とチームを鼓舞していたが、対戦相手となるメジャーリーガーたちをどう見ていたのか。
「本当に名前くらいしかわからない状態だったので、あまり気にならなかったです。練習も一切見ませんでした」
メジャーの選手たちを知らないことで、特別な意識を持たなかったという源田。さらに、代表合宿中のダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の言葉も戦う上では力になったと振り返る。
「日本の合宿の時から、ダルさんが『絶対このチームはアメリカの選手だったり、メジャーの選手に負けてない。絶対、何も劣っている部分はない』ってずっと言ってくれていたので、そういう部分で、すごくみんな自信を持って、試合に臨めていたと思います」
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