ヤンキースファンは今、悲嘆に暮れている。理由は言うまでもない。山本由伸獲得を逃したからだ。ヤンキースの提示は総額３億ドルといわれ、争奪戦に勝利したドジャースを下回った。そのため、地元メディアもファンも「なぜたった2500万ドルを上乗せできなかったんだ!?」と激怒。ハル・スタインブレナー・オーナーやブライアン・キャッシュマンGMへの風当たりも強くなっている。

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　だが、苦難の最中にあっても、人間はどうにしかして希望を見出すもの。今、ニューヨークのファンの間である動画がにわかに注目を集めている。

　それは、今年３月に行われたワールド・ベースボール・クラシック準決勝、日本対メキシコ戦のあるシーンを切り取ったもの。

　３対３の同点で迎えた８回、１死二塁の場面。２番手として登板していた山本が左中間へ勝ち越しタイムリーを打たれる場面だ。

　何を隠そう、ここで山本に痛打を浴びせたのはこのオフ、レッドソックスからトレードでヤンキースに加入したアレックス・バーデューゴだった。まだチームの一員になって間もないとはいえ、ニューヨークのファンはヤンキースの選手が山本を攻略した場面を見て、束の間溜飲を下げている……というわけなのである。
  　これに伴い、バーデューゴへの期待が、本人のあずかり知らぬところで勝手に高まっていることは言うまでもない。X（旧ツイッター）では、例の動画に「2024年ワールドシリーズ第７戦」とコメントするヤンキースファンもちらほら。山本に“リベンジ”する場面を妄想しているようだ。

　ちなみに、今年のドジャース対ヤンキース戦は６月７日～９日にヤンキー・スタジアム（！）で行われる。もし山本対バーデューゴとの直接対決が実現したら......。ニューヨークのファンは山本に心の底からブーイングを、バーデューゴには大声援を送るに違いない。

構成●SLUGGER編集部

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