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プロ野球

ファーム参入球団「くふうハヤテ」に立ちはだかったオリ宮城大弥。NPB一軍を目指す選手たちが初の公式戦で感じ取った想い

岩国誠

2024.03.16

くふうハヤテの初ヒットを放った倉本。写真:岩国誠

くふうハヤテの初ヒットを放った倉本。写真:岩国誠

 プロ野球の歴史にまた新たな1ページが刻まれた。

 今季からファーム・リーグへ参入した「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。15日にウエスタン・リーグ開幕戦でファーム公式戦の初戦を迎えた。本拠地ちゅ~るスタジアム静岡で、オリックスの胸を借りた一戦は1-9の大敗。しかし、詰めかけた1631人のファンからは大きな拍手が送られるなど、歓迎ムードの中でプロ野球球団としての確かな第一歩を踏み出した。

【動画】くふうハヤテ倉本寿彦が宮城大弥から放ったチーム公式戦初ヒット!
 記念すべき初戦で、くふうハヤテの前に立ちはだかったのは、3年連続二桁勝利を挙げ、オリックスのリーグ3連覇に大きく貢献してきたバリバリの一軍ローテーション左腕・宮城大弥(22)。

 宮城の先発を前日の一部報道で知った野手陣は「やってやる、打ってやる」と、意気込んで試合に挑んだが、自身初の開幕投手へ向け、球威・制球力共に盤石の投球を見せる宮城の前に、初回はあっさり三者凡退に倒れた。

「チーム初ヒットは自分が打つ!」。付け入る隙のない宮城の投球を見て、さらに闘志を燃やしたのが、ベテラン・倉本寿彦(33・元DeNA)だった。

「(ベンチから)今日の投球を見ていて、打つなら真っ直ぐだと。それをファウルにしないように準備はしていました」

 どうしても出たかった開幕戦。腰に不安を抱えている中、赤堀元之監督(53)はベテランの名を5番・指名打者に書き込んだ。その気持ちに報いるべく迎えた2回の第1打席。初球は狙っていたストレート。高めだったが迷わず振り抜き、センターへ弾き返す。頼れるベテランのバットから、チームのNPB公式戦初ヒットが生まれた。

「(宮城との対戦は)なかったので、すごく楽しみにしていて『どんな球を投げるのかな』と思っていたんです。でも、ベンチから見た時に『(打席で)ボールを見たらダメだ』と思ったので、まっすぐを打ち返せるようにしか(考えなかった)。こういういい投手だと、みんな『球筋が見たい』と思うところですけど、まあそこは初球から行くというのが僕の持ち味というか。(打てたことは)ほっとしています」

 スタンドからは大歓声。このヒットを突破口にしたいくふうハヤテ打線だったが、相手は並の投手ではない。その後は内野安打1本のみと、5回まで2安打7奪三振ときっちり抑えられた。

 これには赤堀監督も「さすがのピッチングをされましたが、こういうピッチャーと対戦して結果を残して行かないと上(一軍)にはいけないので、今日は宮城投手に抑えられてしまいましたが打者にとっては、いい経験になった」と、振り返るしかなかった。
 
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