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プロ野球

ファーム参入球団「くふうハヤテ」に立ちはだかったオリ宮城大弥。NPB一軍を目指す選手たちが初の公式戦で感じ取った想い

岩国誠

2024.03.16

 そうした苦しい投球になってしまった投手陣に対しても、1つのアウト、1つのストライクを取るたびに、スタンドからは大きな声援が送られていた。

「本当に静岡のファンの暖かさを感じました。ファンの皆さんの後押しを感じたので、すごい嬉しかったですね。打って点を取りたかったですが、そういう応援が選手たちへの力になりますし、選手たちも意気に感じていると思います。
 
ファンを始め、いろんな方の支えがあるから、この場所で試合ができていますし、最後まで応援してくださるファンの方がいる。点差が開いたからといって諦めるということはありません。我々は挑戦する立場なので、もっと力をつけて1戦1戦やるだけだと思います」

 チーム初安打の倉本は、試合後の練習を終えた後、選手たちの思いを代弁してくれた。

「厳しい戦いではあるんですけど、その中でも対戦を楽しめたというのはありました。ベンチの中でチームとして戦っていましたし、静岡で本当にプロ野球が始まったんだって、そういう思いを(声援から)選手たちも感じていますし、これからしっかり頑張らないといけないと、選手一人ひとりが思っています。

 開幕戦は大敗でしたが、どんな形であれ、きょうチームがスタートできたことが一番大きいですし、静岡のホームでできたことが大きい。先があるチームですし、これも大きな経験になると思いますし、あしたからは落ち着いてできると思っているので、一歩一歩前進していきたい。チーム初ヒットは打ったので、次はチーム初勝利が欲しいですね」

 ゼロから這い上がるということは並大抵のことではないだろう。ただ、それは選手たちが自分たちで選んだこと。挑み続けなければ、NPBの一軍という栄冠には届かない。日本プロ野球にとって歴史的な一歩が刻まれたこの日から、彼らがどんな道を歩んでいくのか。残り138試合の戦いぶりにも注目していきたい。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。

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