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プロ野球

ファーム参入球団「くふうハヤテ」に立ちはだかったオリ宮城大弥。NPB一軍を目指す選手たちが初の公式戦で感じ取った想い

岩国誠

2024.03.16

赤堀監督が試合後、選手たちの前でスピーチをする。写真:岩国誠

赤堀監督が試合後、選手たちの前でスピーチをする。写真:岩国誠

 しかし、6回から代わった右腕・東晃平(24)から、先頭打者の8番・谷川唯人(21・元ロッテ)が9球粘って見せた。谷川は打ち取られたが、9番・瀬井裕紀(24・九州AL熊本)がチーム初のフォアボールを選んで出塁。そして代打・富山太樹(23・BC栃木)も粘りをみせ9球目を仕留めて、打球を右中間へ弾き返す。スタートを切っていた瀬井がホームをつき、一軍では未だ無敗の好投手からチーム初打点。記念すべき試合での完封劇は免れた。
 
「(富山は)おとといの試合から状態が良さそうだったので、本人のためにもなるだろうと思って、(代打で)使いました。あそこで1本が出て、ランナーも走っていて得点になりましたが、ああいう1点が、これから先に大きな1点になる。このチームはもっと粘る、もっと泥臭くいかないといけないチームだとは思うので、こういうことをやっていくことが大事になってきますが、(きょうは)ひとつでもいいもの(攻撃)が出せたのかなと思います」

 選手ひとりもいないどころか、ボールもないところからチームづくりを初めてまだ4か月、戦前から苦戦は覚悟の上だ。教育リーグのときから、赤堀監督は「勝利はもちろんだが、試合を見にくる人たちに何を見せられるのか」という話をしていた。その中でチームにとって大事だと考えているのが、こうした粘りの部分だ。

 初戦の気負いや緊張もあった序盤に比べて、後半は得点につなげた6回だけでなく、打者がファウルで粘る場面も増えた。そして9回には、初の連打でチャンスを作ると、1-9と大量点差で負けていたにもかかわらず、選手を後押しする手拍子が、スタンドから自然と沸き起こり、球場に一体感が生まれた。

 野手陣には一軍で実績を挙げている投手を相手に粘りを見せるなど、明るい兆しが見えた。しかし、投手陣には教育リーグから言い続けている四球の多さが目につき、それが大量失点につながってしまった。

「いい面もあったが、悪い部分の方が強く印象に残る試合になってしまった。打たれることは仕方ないが、フォアボールは減らしていかないといけない。打たれることで覚えていくこともあるので、やはり打者にしっかり勝負してもらいたい。まっすぐでも変化球でもファーストストライクを取れるようになっていかないと、上(NPB一軍)へはいけないと思っています」
 
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