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MLB新記録の年間262安打に前人未到の10年連続200安打、凡打に倒れたのは6845打席【イチローの軌跡をたどる「51」の数字:MLB編 Vol.1】

藤原彬

2019.12.31

MLBシーズン記録の262安打をはじめ、イチローはアメリカでも数々の大記録を打ち立てた。(C)Getty Images

 今年3月の日本開幕戦で現役を引退したイチロー。NPBで9年、MLBで19年、28年間の現役生活でいくつもの名シーンを生み出し、日米のファンを魅了してきた彼の足跡を数字でたどっていく。まずはMLB時代の打撃にまつわる数字から見ていこう。


1番打者としてMLB通算2529安打を記録し、そのうち544本を初回先頭打者として放った。これはリッキー・ヘンダーソン(3020)とピート・ローズ(2924)についでMLB通算3位。しかし、打率.323は2人(.308/.280)を上回る。


首位打者を2回獲得。01年にア・リーグの新人史上最高打率.350を樹立すると、04年には両リーグトップの.372でそれぞれバッティングリーダーに輝いた。07年(.351)と09年(.352)はともにリーグ2位で、それぞれマグリオ・オルドニエス(.363)、ジョー・マウアー(.365)とし烈な争いを繰り広げた。


長距離砲でないにもかかわらず、02年(27)、04年(19)、09年(15)と、リーグ最多敬遠を記録したシーズンが3度もあった。「打高投低」の時代だったが、02年と04年は30本塁打以上のチームメイトが皆無で09年も1人だけ。
 

日本開催の4試合で4安打をマーク。12年と19年に東京ドームで行われた開幕シリーズにそれぞれ2試合ずつ出場し、いずれもアスレティックスと対戦した。12年の開幕戦は初回と4回にショートへの内野安打で出塁すると、6回と延長11回にもヒットを放って4安打の固め打ち。19年の開幕シリーズでの現役最後の打席でもショートにゴロを転がしたが、間一髪で7年前のような内野安打とはならなかった。


例年、開幕直後は状態や修正点を見極める時期で、エンジンがかかるのは5月から。長いシーズンで継続して安打を積み重ねるためのスタンスが成績に反映されていて、4月の通算打率.294/OPS.723は月別で最も低く、5月の.330/.801が最も高い。


最多安打7回(01、04、06~10年)はタイ・カッブの8回に次ぐ歴代2位タイ。06年からは歴代最長となる5年連続で両リーグ最多に名を残した。同期間内のリーグ最多を逃した年(02、03、05年)はいずれも2位。

10
メジャーデビューした01年から、代名詞とも言える「200安打」を前人未到の10年連続で達成。09年にウィリー・キーラーの持つ8年連続のMLB記録を塗り替えると、人との比較から「解放された」と心情を語った。
 
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