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プロ野球

筒香の後継者は誰だ?屈辱を脳裏に焼き付けた若武者・伊藤裕季也も候補のひとりに

石塚隆

2020.01.07

ルーキーイヤーに衝撃デビューを飾った伊藤。ラミレス監督も言うように、相手チームも分析してくる。そこにどう対応するかが大切」になるだろう。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

ルーキーイヤーに衝撃デビューを飾った伊藤。ラミレス監督も言うように、相手チームも分析してくる。そこにどう対応するかが大切」になるだろう。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 悔しさを帯びた、射抜くような目線――。

 2019年9月21日、横浜スタジアム。リーグ優勝を決めた巨人の選手たちがマウンドで歓喜している。その状況を力なく見つめていたDeNAの選手の中で、最後までバックヤードに戻ることなく唇を噛み締めていたのが、ルーキーの伊藤裕季也だった。

 その表情からは、次のシーズンへの強い覚悟が見て取れた。

 衝撃的なデビューを飾ったルーキーイヤーだった。8月8日の中日戦、宮﨑敏郎が骨折により登録抹消されると、右打者のバックアップとして初の一軍昇格。上がってきたばかりのルーキーについて、ラミレス監督は次のように語っていた。
 
「タイミングの取り方がかなり良く、スウィングを見るとスラッガーという感じ。二軍で10本塁打以上打っていて打点も40近く付いている。ハードにスウィングして、当たればボールはかなり飛ぶし、彼自身もそれを意識している」

 佐野恵太も同様だが、ラミレス監督はセンスを感じさせるタイミングの取り方と、速いスウィングスピードを持つ選手を好む傾向がある。9日の中日戦で途中出場した伊藤は、さっそくマルチ安打を放って首脳陣の期待に応えた。

 そしてこの試合終了後、ラミレス監督は「明日はスタメンで使います。初ホームランが出るといいですね」と、予言めいたことを語った。結果、それは的中することになる。

 5番・セカンドで初のスタメン出場を果たした伊藤は、6回の3打席目に初ホームランを放つと、8回には2打席連続となる2ランを放ち、チームを勝利に導いた。特に2打席目は、ロドリゲスの151kmのストレートを跳ね返しての殊勲打であり、またプロの速球へのアジャストに苦労するルーキーとは違い、完璧に捉えた美しいホームランだった。
 
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